警察庁は、世界各国の公共機関や企業にサイバー攻撃を繰り返す、『フォボス』というグループの42歳のロシア人運営者を、アメリカ司法省が、日本の警察の協力を得て検挙したと発表しました。『フォボス』をめぐっては、国内でも「身代金要求型」のサイバー攻撃の被害が、少なくともおよそ70件確認されていて、運営者が検挙されたのは初めてだということです。
アメリカ司法省が、身代金型要求型のコンピューターウイルス、「ランサムウェア」を販売、配布したなどとして検挙したのは、ロシア国籍のエフゲーニー・プティーツィン被告(42)です。
警察庁によりますと、被告は、世界中の1000以上の公共機関や民間企業を標的にしたサイバー攻撃によって、1600万ドル以上の身代金を奪ったとされる『フォボス』というグループの運営者の立場にあったとみられています。
日本国内でも、『フォボス』による攻撃の被害が2020年以降、行政機関や民間企業、病院などで少なくともおよそ70件確認されています。
グループの主導的な立場にある人物が検挙されたのは初めてで、日本の警察は独自の捜査によって被告を割り出すなど、国際捜査の枠組みの中で中心的な役割を果たしたということです。
警察庁は「グループの痕跡を丹念に分析し、被疑者を割り出した。国際的な警察のコミュニティで日本の存在感が増し、連携のさらなる深化につながるのではないか」としています。