サケの不漁で人工ふ化用の卵の確保に追われる宮古市に6日、友好交流都市の大仙市から、同市のふ化場で卵の中に目が見えるまで育てた発眼卵39万粒が無償で贈られた。提供は2021年に続き2回目となる。
宮古市の桐田教男副市長や市内3漁協の担当者らが大仙市の老松博行市長から受け取り、約4時間かけて宮古市の津軽石ふ化場まで運んだ。大仙市によると30万粒としていたが、ふ化場で改めて計量したところ39万粒あった。
卵はふ化場で体重1グラムの稚魚に育てた後、各漁協のふ化場に分配。さらに体重3グラム、体長6~7センチまで成長させて、4月ごろに河川に放流する。
宮古市のサケ漁は1990年代、157万~597万匹で推移した。近年は不漁が続いており、本年度は12月20日現在で2万727匹。隣接の岩手県山田町を含めた23年の放流計画で必要な2600万粒のうち、地元の河川で確保できたのは現在1500万粒にとどまる。
宮古漁協の松原薫津軽石・松山ふ化場総括場長は「大仙の方からは『はるか昔、秋田が不漁だった時、津軽石から卵をもらった。恩返しですよ』と言われた。きれいな卵で大変ありがたい」と話した。