サムイ島でも外国人客受け入れ=日本は「主要ターゲット」―タイ

【サムイ島(タイ)時事】新型コロナウイルスの感染拡大で停止していた外国人観光客の受け入れを進めるタイは15日、南部のリゾート地サムイ島で、入国者の隔離を緩める取り組みを始めた。初日は欧州などの招待客が到着。政府は観光客を呼び戻し、経済復興の起爆剤にしたい考えだ。

 タイでは入国者に14日間の隔離を義務付けているが、サムイ島に到着した観光客はワクチン接種などの条件を満たしていれば、最初から宿泊施設の部屋を出て館内設備を利用できる。4~7日目には指定された島内ツアーの参加が認められ、8~14日目は近隣のタオ島、パンガン島に渡れる。

 対象となるのは感染が比較的抑えられている国・地域からの渡航者。政府観光庁のチャッタン副総裁は「日本人の中でも、特に中高年は主要ターゲットだ」と明言した。

 サムイ島を代表する観光名所の大仏前で土産物店を営む女性アウイさん(44)は「観光収入の確保しか島が生き残る道はない。旅行者の回復につながる取り組みは何であれ、島にプラスになるはず」と期待を寄せる。

 南部プーケットでは1日から、外国人を隔離なしで受け入れている。政府はプーケットやサムイ島で成功すれば、隔離免除を10月中旬までに全国に拡大する方針。

 しかし、タイでは感染が収まらず、インド由来のデルタ株が猛威を振るうバンコク首都圏やマレーシアに近い最南部では、夜間外出禁止令が出された。1日当たりの新規感染者は9000人前後で高止まりしており、実現は見通せない状況だ。 

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