サラリーマンの男性の1回の昼食代は、ことし、510円と、およそ30年前の水準まで下がり、昼食の時間は平均で19分余りと、3分の2程度まで短くなったという調査結果がまとまりました。
新生銀行は、昭和54年以降、数百人から1000人余りを対象に行ってきた、サラリーマンの男性の小遣いに関する調査について、金額や昼食の状況、それに節約する項目などの変遷を取りまとめました。
それによりますと、1回の昼食代は、20年前、平成4年の746円をピークに徐々に下がって、平成17年以降は500円台となり、おととしは507円で過去最低、ことしは510円と、調査を始めた33年前、昭和54年の565円とほぼ同じ水準になっています。
また、昼食にかける時間は、昭和58年は33分、平成5年は27.6分と30分前後でしたが、ことしは19.6分とおよそ30年前の3分の2程度まで短くなりました。
この中には、「食べない」、「5分以下」と答えた人も合わせて4.4%いました。
およそ20年前の昼食は、「外食」が中心でしたが、ことしの調査では少なくなり、「弁当」が増えているということです。
外食をする店を選ぶ場合も、「味のよさやきれいかどうか」より、「安くて近いところ」を好む傾向が強く、新生銀行では、「30年前より忙しくなり、サラリーマンは、昼食の時間を惜しんで働いているのではないか」と話しています。
33年前、昭和54年に調査を始めたときのサラリーマンの男性の1か月の平均の小遣いは、4万7175円でした。
昭和57年には、3万4100円と過去最低となりましたが、その後、上昇しバブル期の平成2年には7万7725円でピークとなりました。
しかし、バブル崩壊後は上下しつつも全体的に下降し続け、ことしは3万9756円と、31年前の昭和56年と同じ水準となりました。
こうしたなかで、節約しているものの変遷を見ますと、30年ほど前から現在まで、「昼食代」や「飲み代」が常に上位に入っています。
また、平成12年の調査では上位になかった「水筒持参」がことしは20.1%で5位、「弁当持参」が17.4%で8位となりました。
新生銀行では、「収入が伸びないなか、昼食代、飲み物代を節約し、飲み会にも行かず、弁当と水筒を持参するという、現代のサラリーマンの切実な倹約ぶりがうかがえる」と話しています。
今回の30年間の調査の取りまとめに協力した、マーケティングコンサルタントの西川りゅうじんさんは、「小遣いは日本経済の縮図で、サラリーマンの小遣いはこの30年、景気に翻弄されたと言える。節約には涙ぐましい努力を感じるが、一方で、ワンコインで上手にやりくりしたり、節約の方法をツイッターで発信したりして、ある種の楽しみになっている。楽しみながら節約するのが、平成のサラリーマンの実像だと思う」と話していました。
また、サラリーマンの昼食については、「1人でスマートフォンを見ながら食べる人が増えている」と指摘し、「弁当と水筒とスマートフォンは、現代サラリーマンの『三種の神器』になっている」と話しています。