サラリーマンの給料は下げ止まらず

「これじゃあ〈300円居酒屋〉に行くのも気が引けますよ」(損保営業マン)
 ボヤきたくなるのも無理はない。サラリーマンの給料は下げ止まらず、12年連続ダウンした。国税庁の民間給与実態統計調査によると、09年の平均給与は406万円。前年比5.5%減で、23万7000円も下がった。下落率、下落幅ともに過去最悪だ。
 といっても、業種によってかなり波がある。
 14業種中のワースト3は(1)宿泊業・飲食サービス業(241万円)(2)農林水産・鉱業(295万円)(3)サービス業(318万円)――という結果。翻ってトップ3は(1)電気・ガス・熱供給・水道業(630万円)(2)金融業・保険業(625万円)(3)情報通信業(567万円)――という順だった。トップとビリとの格差は、実に389万円。不況に弱いサービス業は壊滅状態、景気に左右されないエネルギー関連は抜群の安定感という絵に描いたような構図だ。
 日本の懐事情はジリジリと悪化し、ついに89年と同水準にまで落ち込んだ格好だが、あの頃はバブル絶頂。平均株価が過去最高の3万8915円をつけ、W浅野がトレンディードラマでブイブイ言わせていた。あのノー天気な明るさが懐かしい……。
(日刊ゲンダイ2010年10月4日掲載)

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