サル痘、国内新規感染続く WHOは「緊急事態」終了 専門家「今後も警戒を」

天然痘に似た症状が出るウイルス感染症サル痘(エムポックス)」について、世界保健機関(WHO)が今月、感染者の減少が続いているとして「緊急事態」の終了を発表した。 【ひと目でわかる推移グラフ】国内のサル痘新規感染者数  一方、国内では今年に入ってから患者の報告が増えており、専門家は「リスクの高い行動に気を付け、引き続き警戒をして」と注意を呼び掛ける。  サル痘は、発疹部分との接触や体液などを介して人から人へうつる。WHOなどによると、患者には、男性間の性交渉があった人が多く含まれていることが分かっている。通常6~13日間の潜伏期間を経て、発熱したり、顔、体に水疱(すいほう)が出たりする。多くは2~4週間で自然回復するが、小児や妊婦、免疫力が低下した人は重症化する場合もある。  主にアフリカの一部地域で発生していた感染症だったが、昨年5月以降に欧米などで感染が拡大。WHOは同年7月、サル痘の流行が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当たると宣言していた。その後感染者の減少を受け、緊急事態の終了を今月発表した。  一方、厚生労働省によると、国内では昨年7月に初めての患者が確認された。同年12月までに計8人の感染報告があったが、今年に入って141人増加し、今月19日時点の感染者は累計149人となった。海外渡航歴のない患者も増えており、同省は警戒を強めている。  国立感染症研究所の斎藤智也・感染症危機管理研究センター長は、今年に入り増加した原因について「新型コロナウイルスによって抑えられていた人との接触機会が増え、感染リスクの高い性的接触の機会が増えたのではないか」と分析。「引き続きリスクの高い行動には気を付けて、症状がある場合は早めに医療機関を受診してほしい」と話している。

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