江戸期に宮城県山元町坂元地区を治めた伊達家重臣の大條(おおえだ)家が保管してきた古文書と、明治-昭和初期の坂元村(現坂元地区)の行政文書を解説する企画展が、町歴史民俗資料館で開かれている。大條家は仙台市出身のお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさんの先祖。10日に大條家と地域住民との関わりなどをテーマにした研究者の講演会もある。
企画展は、資料館と東北大東北アジア研究センター上広歴史資料学研究部門が共同で主催。東日本大震災で被災した坂元地区の町指定文化財「大條家茶室 此君(しくん)亭」が修復工事を終え、24日に一般利用が再開するのに合わせて企画した。
展示品は1553~1853年の大條家文書、1905~27年の坂元村記録など計約30点。大條家文書は初代から17代当主の家系図に加え、1832年に伊達藩主から茶室を拝領した15代当主が身の回りの出来事を記した冊子などを公開している。坂元村記録は1905年に地域を襲った大凶作、翌06年の坂元大火で被害を受けた住民に支給した衣類や食料品の受領証などが並ぶ。
資料館の山田隆博学芸員(44)は「現在の坂元地区の区割りは大條家によるものと言っていい。今回、茶室が公開される機会に、地域史に関心を持ってもらいたい」と語る。
企画展は来年1月13日まで。10日の講演会は町ふるさとおもだか館で午後1時半~3時半。定員約100人、入場無料。連絡先は資料館0223(37)0040。