宮城県石巻市と女川町に船籍を置く「県小型さんま・いわし協議会」の小型サンマ漁船(10トン以上20トン未満)5隻が4日、女川町の女川港を出港した。国の調査で今漁期(8~12月)のサンマ来遊量は記録的不漁だった昨年をさらに下回る見込みで、大きな不安を抱えての船出となった。
船団は拠点となる北海道の釧路港に行き、10日の漁解禁に備える。サンマの動きに合わせ、北海道近海から銚子沖に向かって徐々に南下する。三陸沖では10月後半ごろに操業予定。
船団長を務める第61清水丸(石巻市、19トン)の阿部登漁労長(51)は「懸念は多いが、秋においしいサンマを届けられるよう頑張りたい」と話した。
サンマ漁は2015年以降、不振が続く。女川魚市場では昨年の水揚げが4563トンで、大不漁と言われた17年の9516トンを大きく割り込んだ。加藤実社長は「少しでも水揚げが上向いてほしい」と願う。
女川港には乗組員の家族らが集まり「体に気を付けて」「たくさん取ってきてね」と声を掛け、安全操業を祈って漁船を見送った。