サンマは今年も不漁見通し、価格も高止まりか…例年より「かなり小ぶり」

日本の漁場に8~12月に来るサンマの資源量は94万トンと推定され、過去最悪の不漁だった昨年と同じ程度の来遊にとどまるとの見通しを水産研究・教育機構がまとめた。サンマの漁獲量が減って店頭価格が今年も高止まりし、食卓から遠のく恐れがある。 【写真】大船渡で「さんま焼き師認定試験」

(写真:読売新聞)

 同機構は毎年6~7月、北太平洋に船を出してサンマの分布状況を調べ、その年に、日本の漁場に向かって西に進んでくる量や魚体の大きさを予測している。日本のサンマ漁は例年8月以降、北海道・根室の東方1000キロ沖から徐々に西へと場所を移し、秋には三陸沖、千葉県沖へと南下して行われる。

 同機構によると、北太平洋西側での今年の推定資源量は昨年より20万トン以上少ない。北からの親潮の流れが今年も弱いと予測され、三陸沖など日本近海には魚群はほとんど訪れないという。ただ、秋にかけて西に回遊する「1歳魚」がやや高い割合で見つかったため、同機構は「日本の漁場に来る量は、昨年と同程度になる」と予測している。

 一方、9月時点での1歳魚の平均体重は110~120グラム台と推測。昨年を10グラムほど上回るものの、例年よりは「かなり小ぶり」なままだ。

 日本のサンマ漁獲量は、1990年代から20万~30万トンで推移していた。だが、2010年以降に減少傾向となり、昨年は過去最低の1・8万トンにとどまった。資源量も03年には467万トンと推定されたが、この20年間で5分の1に減った。原因として、気候変動や乱獲などが指摘されている。

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