ザ・タイガース40年ぶり復活 瞳みのる「帰ってまいりました」

 60年代に活躍した伝説のグループサウンズ、「ザ・タイガース」が40年ぶりに復活した。8日、東京・丸の内の東京国際フォーラムでスタートした沢田研二(63)の全国ツアーの初日公演に、タイガースのメンバーだったドラムのピーこと瞳みのる(64)、サイドギターの森本太郎(63)、ベースの岸部一徳(64)がゲスト出演。リードギターだった加橋かつみ(63)の参加はなかったものの、1971年1月24日の解散以来、4人のオリジナルメンバーがそろい、「君だけに愛を」などの懐かしのヒットナンバーを熱演。満員5000人のファンを熱狂させた。
 今回の“再結成”は2008年に沢田が自身のアルバム「ロックンロール・マーチ」に、瞳に捧げた「ロンググッドバイ」を収録したのがきっかけになった。同曲は71年の解散後、芸能界を去り、高校教師に転身した瞳に向け、また一緒に音楽をやろうよとのメッセージを込めて沢田が作った作品だった。その年、同曲を沢田がテレビの音楽番組で歌ったことを瞳が人づてに聞き、再びかつてのメンバーとの交流が始まり、今回の同窓会ライブにつながった。8月からリハーサルを繰り返してきたという。
◆60年代の熱気再現
 往年のファンからの大声援の中、ステージに登場した沢田は「ついにこの日がやってきました。とってもうれしく思います! 4人が集まると興奮してしまいます!」と感激の思いを口にした。デビュー曲「僕のマリー」(67年)などタイガースのオリジナル曲を中心に、当時カバーしていたローリング・ストーンズの「サティスファクション」なども披露。60年代の熱気を再現する歌と演奏でファンを大喜びさせた。
 芸能界を離れてからは慶応高校で中国語の教師として勤務し、40年ぶりのステージに帰ってきた瞳は「帰ってまいりました! いまだにキンチョウの夏って感じです」などとオヤジギャグを交えてあいさつ。パワフルなドラム演奏や洋楽ナンバーの「Justine」ではリードボーカルにも挑戦して盛り上げた。
 今回の沢田のツアーは全国33都市で全38公演を予定。瞳や森本、岸部の3人はすべての公演に参加し、来年1月24日に、解散コンサートを行った思い出の日本武道館でフィナーレを迎える。
<ザ・タイガース> 1967年2月5日、シングル「僕のマリー」でデビュー。「モナリザの微笑」「君だけに愛を」など数多くのヒット曲を放ち、グループサウンズ(GS)ブームに火を付けた。68年12月に日本初のスタジアムライブを甲子園球場で実現させたが、個々の活動が目立つようになり71年の日本武道館コンサートを最後に解散。その後81年11月に「同窓会」と銘打って再結成。89年にはNHK紅白歌合戦に出場した。

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