シェアハウスはもう古い?「進化系」ハウスに人気殺到!充実の共用部、私的生活も確保

シェアハウスの進化系であるソーシャルアパートメントの人気が高まっている。「隣人交 流型賃貸住宅」とも呼ばれ、従来のワンルームマンションやシェアハウスとは異なり、「プライベートのある生活」 と「交流のある生活」という2つの価値を共存・両立させた新しいかたちの共同住宅である。マンション内にラウンジやキッチン等の交流スペースがあり、住人 同士の自発的な交流を誘発する。まさにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のリアル版といえる。

アットホームな感覚の空間 を重視する一方、ソーシャルアパートメントはシェアハウスとは異なり、事業者の一定のルールのもとで運営されているのが特徴だ。シェアハウスの中には、比 較的ゆるいルールで運営されているところもある一方、ソーシャルアパートメントは約束事を守る意識が強く、それゆえにクオリティが保たれている面は大き い。運営会社による品質管理が徹底しているのだ。

浴室の有無などさまざまなタイプの部屋を有しているところもあり、賃料はシェアハウスと比べておおむね1~2割程度高めとされるが、機能性や交流空間の価値を考えると納得できる水準ではある。

●充実した設備

ソーシャルアパートメントを運営するベンチャー企業、グローバルエージェンツはこのほど、東京・世田谷区の二子玉川駅近くにオープンしたソーシャルアパートメント「NEIGHBORS 二子玉川」を公開した。

住民の嗜好に合わせて、バス・トイレがある部屋もあるが、ない部屋もある。共用部にマッサージチェアを置くなど、設備面で充実も図っている。もともとは社員寮だった建物を改装したソーシャルアパートメントだけに、充実した共用部が特徴だ。

特にこだわったのが「自転車と暮らす」をメインコンセプトとした点だ。壁の装飾や駐輪スペースの設置など自転車愛好家に受け入れられるような雰囲気でまと めた。ゆったり落ち着いて仕事や勉強ができるワーキングラウンジや、リラックスのためのビリヤード・ルームなども利用者にとってはうれしい設備だ。

同社によると反応は上々で、オープン時点で入居率が90%を超えるなど、通常より早いペースで申し込みが進んだという。

ソーシャルアパートメントへの広範な支持は、新たなコミュニケーションのスタイルへの支持であり、まさに時代の流れに沿っているといえる。かつての社員寮 を転用したこうした物件の活用方法などは、一等地に優良な物件を持ちながら上手に手放すことができない企業にとっても参考になるだろう。

住まいや乗り物など、昔からある伝統的なサービスほど、革新的なことをやりにくいのが日本社会の現実である。だが、発想を転換すると、こうしたサービスほ ど身近で潜在的なニーズがあり、新たなサービスが受け入れられる余地がある。ベンチャー企業が斬新な発想にもとづいて大胆な動きに出ているのはそうした点 に着目しているからでもある。

さまざまな人たちとの出会いや交流をはじめ、国籍や言語を超えた交流など、入居者同士の多様なコミュニケーションが生まれることは、ご近所づきあいが希薄化した現代、あらたなコミュニティ作りの観点からも注目されている。こうした動きは今後も活発に出てきそうだ。
(文=編集部)

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