日本ジオパーク委員会は25日、貴重な地形や地質を有する自然公園「日本ジオパーク」のうち9地域の再認定の可否を審査した。東北では「三陸」(青森、岩手、宮城)と「栗駒山麓」(宮城)を再認定した。「男鹿半島・大潟」(秋田)と「磐梯山」(福島)は条件付き再認定となった。
八戸市から気仙沼市までの沿岸16市町村をエリアとする三陸ジオパークは2017年、地域や関係機関の連携などに課題があるとして2年間の条件付き認定となっていた。
これを受けて三陸ジオパーク推進協議会は、地域協議会や広域ブロック会議を設置。三陸沿岸道を活用した観光客誘致や認定ガイド養成の講習会を通じて運営体制の強化を図ってきた。
協議会長の山本正徳宮古市長は「地域一体で三陸の魅力や東日本大震災の教訓を発信して国内外との交流を活発化させたい」との談話を発表。達増拓也岩手県知事も「世界ジオパークの認定を見据えて活動を推進したい」とのコメントを出した。
委員会は「専任職員や専門員の配置を」(男鹿半島・大潟)「ジオサイト保全を含む基本計画見直しが必要」(磐梯山)などと指摘。2年後の再審査で、課題が改善されていなければ認定が取り消される。
東北以外の再認定は「佐渡」(新潟)「白山手取川」(石川)「恐竜渓谷ふくい勝山」(福井)の3地域、条件付きは「秩父」(埼玉)「三島村・鬼界カルデラ」(鹿児島)の2地域。