ジャケットで復興後押し 隈研吾氏デザイン、国内外で販売へ

建築家の隈研吾氏がイタリアのアウトドアブランド「モンチュラ」と初めて連携してデザインしたジャケットを9日、報道関係者に披露した。国内と欧州で販売し、国内分の収益を東日本大震災で被災した宮城県南三陸町を拠点に活動する団体に寄付する。

 隈氏は震災後、志津川地区のグランドデザインを担うなど同町の復興に携わってきた。今回は、新型コロナウイルス禍で困窮した若年女性の相談窓口を開設するNPO法人ウィメンズアイ(WE)の活動費を支援する。

 ジャケットの柄は、WEが被災者同士のコミュニティーをつなぐために町内で講習会を開いている東北の伝統手芸の刺し子を採用。黒のオーガニックコットン生地に、グレーの糸のステッチでモンチュラのロゴマークを連続展開し、七宝文様に似た模様を浮かび上がらせた。

 埼玉県所沢市の角川武蔵野ミュージアムで開いた発表会で、隈氏は「東北に元々あった技術に着目した。被災者と一緒に地域を震災前よりももっと盛り上げることができたらいい」と語った。

 WEの栗林美知子南三陸事務所長もオンラインで参加し「寄付先に選んでもらい、ありがたい。女性が元気に活躍できる社会を目指す」と感謝した。

 ジャケットは、国内分として特設サイトと同ミュージアム内のショップで計83着を限定販売する。価格は11万円。隈氏のサイン入り3着(先着)は22万円。問い合わせは同ミュージアム公式サイト内の専用フォームで受け付ける。

発表会で刺し子ジャケットを着用し、デザインに込めた思いを語る隈さん

https://www.youtube.com/embed/O9j-tvMfbUY デザインに込めた思いを語る隈さん

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