ジャニーズ・デビュー組から初の性被害告白 元「忍者」志賀泰伸氏(54)が「30回から40回くらいは性的虐待があった」

「ジャニーさんがいつ来るんだろうと怯えていました。じゃあ、辞めればいいじゃんという話なんですけど、それが被害なのかどうかが、わからない歳だったから」

【写真】現在は芸能界から離れている元忍者・志賀泰伸氏(54)を見る

 こう重い口を開くのは、ジャニーズ事務所のアイドルグループ「忍者」の元メンバー、志賀泰伸氏(54)だ。6人組グループの忍者は、美空ひばりの『お祭りマンボ』をリメイクした『お祭り忍者』で1990年8月にデビュー。4カ月後にはNHK紅白歌合戦に早くも出場した、激しいダンスが売りの、人気グループだった。

デビューしたアイドルから初めての証言

 英BBCが番組でジャニー喜多川氏の性加害を取り上げて以降、小誌はこれまで12人の元ジャニーズJr.の男性たちの証言を伝えてきた。だが、実際にデビューまで果たしたジャニーズのアイドルから性被害の証言を得るのは、初めてのことだ。これまでの元ジュニアたちの告白には、「売れなかった腹いせで言っている」などと、心ない意見もあった。だがデビュー組である志賀氏の登場は、そういった声をかき消すことになる。

 志賀氏が告白した切っ掛けは、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が動画と文書でジャニー氏の、性加害について説明した際の発言だった。

「ジュリーさんが『知りませんでした』と言ったことに対して、ウソつけ!と思ったんです。知ってたでしょ?って。証言することで、少しでもカウアン(・オカモト)さんや署名活動を行っているファンの方々の力になりたい。そして紅白にも出た、CDデビューした人間が語ることで、問題への関心が高まればと思い、立ち上がった次第です」

好奇心で“合宿所”へ。その夜、楽しかった一日が暗転…

 志賀氏がジャニーズ事務所に入所したのは高校に上がる1984年春のこと。

「ユー、ちょっと合宿所に来ない?」

 とジャニー氏から声を掛けられたのは、まだ入所してレッスン2回目ぐらいのときだったという。ジャニー氏の運転するベンツで、当時は原宿にあった“合宿所”と呼ばれるマンションに連れて行かれた。ジャニー氏の性加害について知らなかった志賀氏は、先輩たちが住む合宿所への好奇心でついて行った。

 初めての合宿所の夜。楽しかった一日が暗転したのは、その直後だった。

「ジャニーさんが横に来たんです。添い寝か何かするのかなと思っていたら、触り始めて。ちょっとマッサージみたいな感じだったんですけど、すぐにパンツに手がいって、下ろされたんです」

「30回から40回くらいは性的虐待があった」

 ジャニー氏の顔は布団をかぶっていて見えない。言葉を発することもなく、無言のままだった。15歳の志賀氏は寝たふりを続けた。射精には至らず、ジャニー氏は部屋を出て行った。

 ジュニアの友達もできた志賀氏は、合宿所によく遊びに行くようになった。ジャニー氏に行為をされるときもあれば、されないときもあった。ジャニー氏の行為は18歳頃まで続いたという。

「30回から40回くらいは性的虐待があったと思います。そのたびに、ジャニーさんの性癖にまた巻き込まれてるって思い、会うのも嫌だし、話すのも嫌になって、合宿所から足が遠のいていきました」

芸能界を離れた今も時折、フラッシュバックが…

 1990年に忍者としてデビューし、同年のNHK紅白歌合戦にも出場。この年の各音楽新人賞を総なめにした。忍者の人気もうなぎ上りだったが……。

「デビューの頃は摂食障害というか、ものが食べられなくなっちゃっていて、体重が42キロしかなかったんです。精神的に完璧にやられちゃってたんですよ」

 1994年に事務所を退所。別の芸能事務所に所属しドラマやⅤシネマに出演するなど、しばらく活動を続けた。その後、芸能界を離れて、会社員として生活している。だが今も時折、フラッシュバックが起こることもあるという。

「突然調子が悪くなって、心療内科に行くこともあります。カウンセリングを受けて薬を飲んで軽快しても、また何かをきっかけにあのことが蘇ってきて、またカウンセリングに行って。その繰り返しです」

 ジャニーズ事務所に志賀氏が受けた性被害について、事実確認を求めたが、締め切りまでに返事は無かった。

 このほか、5月24日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」及び5月25日(木)発売の「週刊文春」では、「ユーは合格だから」と志賀氏が言われたオーディションの様子、志賀氏が受けた性被害の詳細、ジャニー氏の性加害がエスカレートして危うくされそうになったこと、忍者のメンバーから言われた衝撃の一言、近藤真彦から小誌に送られてきたメッセージ、ジャニーズ事務所の社名変更の可能性などについて詳報している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年6月1日号)

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