ジャニーズ事務所が「声明」を連発している。
同事務所は9日、公式サイトで「故ジャニー喜多川による性加害に関する一部報道と弊社からのお願いについて」と題した声明を発表。ジャニー氏による性加害で「被害者でない可能性が高い方々」が「虚偽の話をしているケース」が複数あるとと報告。報道機関に「告発される方々のご主張内容についても十分な検証をして報道をして頂きますようお願い申し上げます」と要望した。
この声明の前にはNHKの報道番組「ニュース7」で、ジャニー氏から局内トイレで複数回性被害に遭った男性の証言を報じた。
ジャニーズの声明が同番組を意識したものかは定かではないが、タイミング的に臆測を招いている。
このほか、声明では東山紀之新社長が「加害を助長したとされている」報道も確認されるとして「再三にわたり、そのようなことは決してしていないと説明しております」と関与を否定。「その点の認定も含めて、弊社は再発防止特別チーム及び被害者救済委員会の活動に全面的に協力しております」と続けた。
ただ、東山に関しては2度の会見でハラスメント疑惑についてツッコまれ、あいまいな回答に終始していた印象だ。声明でも、再発防止チームはまだ東山のハラスメントが「なかった」と認定しているわけではない。
テレビ関係者は「このタイミングで出す声明ではない。マスコミに対するけん制の意味合いが強いのではないか」と指摘する。
ジャニーズの〝様子〟がおかしくなってきたのは、今月4日、2度目の会見で「指名NGリスト」の存在が発覚してからだ。せっかく滞りなく終わったのに、台無しに。5日の声明でNGリスト作成への関与を否定したものの、疑惑が晴れたとは言い難い。
また同日には看板俳優・木村拓哉に関する週刊文春の報道にもクギを刺した。同誌では木村がジャニーズ事務所の社名変更に最後まで反対していたこと、撮影予定のドラマが木村の一存でストップしていることなどを報じた。
これにジャニーズ事務所は声明で「このようなタレントの名誉や信用を著しく毀損する事実無根の記事に対しては強く抗議する」と反発した。
7日にも声明を出した。2度目の記者会見を欠席した藤島ジュリー景子氏が、会見場となったホテルの別室にいたと伝えた「FRIDAYデジタル」の報道に言及。事実無根とした上で「名誉を著しく毀損する本件記事は到底看過できません」と抗議した。
これまでジャニーズ事務所の公式サイトでは、ジャニー氏の性加害問題への見解や被害者補償、ガバナンスに関する声明がほとんどだった。それがNGリスト流出後の5日から9日までの5日間で計4回も声明を発表している。そのどれもがメディア報道に関するものだ。
会見のやり直しも進言されるなか、マスコミとの対決姿勢を鮮明にしつつあるようだ。