ジャニーズ問題でスベった四天王!茂木健一郎、デヴィ夫人、GACKT、ケつ穴達郎も

9月7日の会見で故・ジャニー喜多川による性加害を認めたジャニーズ事務所。企業がCM契約を見直すなど、大きな波紋が広がっています。

 多くの著名人がコメントを出しましたが、中には批判されてしまった人も。

 というわけで、今回の一件で株を下げた人たちの発言と世間の反応を振り返ってみましょう。

◆茂木健一郎 手のひら返し発言を連発し総ツッコミに

 9月11日に自身のX(旧ツイッター)で、<ジャニーズにだまされる人は、芸術の教養が根本的に欠けている。クラシックからロック、ポピュラーまで、音楽のほんものに触れていれば、SMAPや嵐には騙されない。ジャニーズを聴くんだったら、モーツァルトやビートルズ、ボブ・マーリーを聴いた方がはるかに深く世界に通じる教養が身につく>と投稿。

 加えて「世界に一つだけの花」をSMAPが歌ったところで<偽物でしかない>とまで投稿し、総ツッコミにあってしまいました。

 音楽方面からは、“ビートルズだって最初はニセモノ扱いだった”とか“クラシックも、ある時代のヨーロッパの民族音楽というだけ”などの冷静な指摘がありました。

 このようにジャニーズ作品に厳しい茂木氏ですが、2016年にはSMAPをこう絶賛していました。<とても礼儀正しく、才能にあふれていて、すばらしい方々だと思いました。まさに国民的アイドルの名に、ふさわしい存在です>

 これにネット上では“完全な掌(てのひら)返し”と矛盾を指摘するコメントで溢れました。さすがに苦しいかと思われましたが、それでも自説に自信を持っているようでした。

<そんな中、私の知り合いの息子さんの高校生で、ふだんから音楽に卓越した知識があって、自分でも音楽をつくっている人からは「全面的に賛成です」とLINEをもらった。>(2023年9月12日 自身のXより)

 今回はあくまでもジャニーズを厳しく見つめる茂木氏です。

◆GACKT CM契約打ち切りに「不気味でしかない」発言

 相次ぐCM契約打ち切り報道に苦言を呈したGACKT。

 9月9日に自身のXで<アーティスト個人が何かやらかしてCMを打ち切るのはまだわかる。今回それぞれのアーティストは関係ない、というよりむしろ被害者。その彼らとのCMを打ち切るのはそもそもおかしいし不気味でしかない>と企業の対応に疑問を投げかけましたが批判にさらされました。

 するとGACKTはこう反論。<事務所の問題は問題としてわかる。だが、そこにいる彼らまで攻撃するのは違う。そもそも被害者だろう、彼らは。>(2023年9月12日 自身のXより)

これにネット上では賛否両論が巻き起こりました。“ジャニーズというだけで責められるのはおかしい”とGAKCTの発言に共感するコメントの一方で、“タレントの所属事務所が人権侵害をしていたなら取引をやめるのは当然だ”と反論する意見も。

 タレントを守ろうとするGAKCTの愛情と、事態を冷静に見つめる世間との溝があらわになった炎上でした。

◆山下達郎 松尾潔氏について「憶測に基づく一方的な批判」

 ジャニーズ事務所が正式に性加害を認めたことで、さらに株を落としてしまったのかもしれません。

 自身の所属事務所「スマイルカンパニー」と松尾潔氏との業務委託契約が終了した際に、松尾氏がジャニーズ事務所を公に批判したことが理由だったのではないかと囁かれていました。

 これに関して山下氏が7月9日放送の『山下達郎のサンデー・ソングブック』(TOKYO FM)で7分にわたるスピーチを展開したのです。なかでも<ジャニー喜多川氏の性加害問題に対して憶測に基づく一方的な批判をしたことが、契約終了の一因であったことは認めますけれど>との発言がまたクローズアップされています。

 まず8月29日にジャニーズ性加害の再発防止特別チームが会見で喜多川氏の行為を事実認定すると、松尾氏は<山下達郎・竹内まりやご夫妻を責めたてる旨をぼくに訴えてくる方が多くて困惑しています。きっとおふたりとも会見内容に胸を痛めておられると思いますし、お考えを改めて正式に声明をお出しになるはずです。>(2023年8月29日)と自身のXに投稿。

 再び『サンデー・ソングブック』内での発言に注目が集まっていますが、今のところ山下氏からの発言はありません。

◆デヴィ夫人「なぜすぐに訴えない」発言にカウアン氏「あなたのような人に否定されるから」

 株を下げたというよりも、ある意味いつも通りだったと言うべきでしょうか。7月24日から8月4日に国連人権高等弁務官事務所の『ビジネスと人権』作業部会が来日するとの決定に、自身のSNSでこうぶちまけたのです。

<ジャニー氏が亡くなってから、我も我もと被害を訴える人が出てきた。死人に鞭打ちではないか。本当に嫌な思いをしたのなら、その時なぜすぐに訴えない。>(2023年7月18日 旧ツイッター)

 この発言に反応したのが、被害者のひとり、カウアン・オカモト氏でした。

<ジャニーさんの功績が全部消えるわけではありません。ただいくら愛していてもまだ性について何も理解できていない子供に対して性的な行為を行うのは極めて卑怯です。その出来事は簡単に打ち明けられるものではありません。もし勇気を振り絞って言ったとしてもあなたのような人に否定されるからです。>(2023年7月19日 旧ツイッター)

 カウアン氏の訴えにデヴィ夫人のリアクションはありませんでした。

 大きく事態が動き出したジャニーズの性加害問題。今後も著名人が激しい議論を繰り広げるのでしょう。

<文/石黒隆之>

【石黒隆之】
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4

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