2019年にこの世を去ったジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏によるとされる、当時のジャニーズJr.らへの性加害問題。
文藝春秋との裁判でセクハラについては事実が認定されており、世間においても公然の秘密のように受け止められていたものの、今春に英国BBCがドキュメンタリー番組を全世界に放送するまでは、ほぼ無視されていた。
■国会での法改正にも波及
被害者とされるカウアン・オカモト氏らは、日本外国特派員協会(FCCJ)で相次いで記者会見を開き、国会にも招致。今国会では見送られたが、児童虐待防止法の改正などを含む大きな社会問題になりつつある。
一方、新聞休刊日の前日深夜に藤島ジュリー景子社長による謝罪動画を公開しただけのジャニーズ事務所に対しては、極めて厳しい声も。
報道番組でキャスターを務める同社所属タレントが、これだけ大きな問題にも関わらずコメントしてこなかったことも強く批判されている。■近藤真彦は「知ってるでしょ」
不倫疑惑が報じられたため2021年にジャニーズ事務所を退所したタレントの近藤真彦は、ジュリー氏の謝罪動画について「嘘はダメ」「知らなかったじゃなく知ってるでしょ」などとコメント。
沈黙を続けてきた後輩タレントたちのイメージにも、少なからぬ影響がありそうな発言だ。実際、今回の報道によってジャニー氏や事務所本体だけでなく、その資産ともいえる所属タレントのイメージにはどのような影響があったのだろうか。
■3割が「タレントイメージも悪化」
Sirabee編集部が、6月8〜9日にかけて、全国10〜60代男女950名を対象に「ジャニー喜多川氏の性加害問題による所属タレントのイメージ」について調査したところ、「非常に悪化した」との回答が10.0%。
「やや悪化」が23.5%で、およそ3人に1人は事務所だけでなく所属タレントの印象も悪化していることがわかった。ただ、最も多かった回答は「変わらない」で64.6%を占めている。
この問題に対して前向きに取り組んでいるように見える所属タレントがほぼ存在しないためか、「イメージが良くなった」との回答はほとんど見られなかった。
■男性の視線は厳しい
男性アイドルが所属し、主なターゲットは女性であるジャニーズ事務所。今回の調査においても、男女差が極めて大きい結果となった。
まず男性は、平均で13.7%が「非常に悪化した」と回答。「やや悪化」も24.7%に及ぶ。とくに被害者と年齢が近い10〜30代や60代の視線が厳しい印象だ。
男性はそもそもジャニーズタレントへの関与度が高くないことに加え、絶対的な権力を持つ同性からの性暴力という恐怖心なども影響しているのかもしれない。
■女性は「やや悪化」止まりか
一方、女性の平均値では、「非常に悪化」はわずか6.8%と男性の半分以下。60代ではやや高いもののいわゆるジャニーズファンも多いと思われる10〜30代では「非常に悪化」が3〜4%にとどまっている。
近藤真彦が指摘するように、被害者の存在を知りながらも仲間として見て見ぬふりをしてきたことより、ファンとして応援する気持ちのほうが優先するのかもしれない。ただ、「やや悪化」は男性と大きな差はなく楽観はできない状況だ。