元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏(26)らが創業者のジャニー喜多川前社長から性被害を受けていたと訴えている問題を巡り、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が14日、謝罪動画と文書を公表した。事実認定は避けたものの、「事務所の存続さえ問われる、極めて深刻な問題」としつつ、事務所やジュリー氏は「知らなかった」とした。日本の芸能史にさんぜんと輝くジャニーズ事務所が大激震に見舞われている。
ジュリー氏は公式サイトに動画を公開し、各所に陳謝した。さらに質問に答える形で回答。「ジャニー喜多川氏の性加害を事務所、またジュリー社長は知らなかったのか?」に対し、「知らなかったでは決して済まされない話だと思っておりますが、知りませんでした」とした。ジャニー氏、2021年に亡くなったメリー喜多川さんの2人であらゆることを決定していたことを理由に挙げたが、当然この説明に納得していない人もいる。
辞職も考えたというジュリー氏だが、責任の取り方として「ただ今すべきはこの問題から逃げることなく、被害を訴えてこられた方々に向き合うこと、さらにこれから先、二度と同様の問題が起こらないよう、既に着手し始めている経営改革、社内意識の抜本的改善をやり抜くこと」とした。
今回の件を受けて事務所内にコンプライアンス委員会を設置、また社外取締役を入れて経営体制を抜本的に見直すとしている。
3月にイギリスのBBCがジャニー氏から性加害があったとする元所属タレントらの証言を報じたドキュメンタリー番組を放送し、4月12日にはオカモト氏が会見を開いて告発した。これを機にジャニーズに対する批判は強まり、4月中旬から下旬には取引先に「問題がなかったなどと考えているわけではございません」などとし、今後の対応を説明する文書を送付していた。そしてこの日、正式に謝罪と見解を公表した。
ジャニーズには今も多くの人気タレントが所属しており、これから影響はあるのか? 「このような問題に関して、日本よりも国際社会の目はずっと厳しい。昔のことであり、ジャニー氏が亡くなっているとはいえ、事務所の体質は厳しく見られます。そのせいか『ジャニーズ事務所という名前を変えるのではないか』などという話まで出回ったほど。これから海外進出するにあたって、大きなハンデを背負っていることは間違いない」(芸能関係者)
さらにいま言われているのが「ジャニーズが推し進めてきたキャスター戦略の変更を余儀なくされるのではないか」ということだ。
ジュリー氏は謝罪し、説明したが、それでも日本中が納得という状況では決してない。
「報道番組では、バラエティーとかと比べて格段に清廉潔白さが求められます。ジャニーズ事務所はそうではないと多くの人がジャッジしたら、いくらタレントに問題はなくてもテレビ各局もキャスティングに二の足を踏むから。今はまだ多くの人の納得感を得られているとは言えない。いま活躍している人たちは特に何もないでしょうが、これからの人たちは新たにキャスターやリポーターに就きづらくなるかもしれない」(制作会社関係者)
多くの人気タレントを抱え、多くのファンに支えられているジャニーズ事務所はこれからどうなるのか。