ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏(享年87)によるタレントへの性加害問題が、海外でも広がりを見せている。アメリカの弁護士が興味を示しており、被害者たちに接触を図っていることがわかった。
国連の「ビジネスと人権」作業部会の専門家は、4日に行った記者会見で「同社のタレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」と指摘。
そのうえで「企業が対策を講じる気配がなかったことは、政府が主な義務を担う主体として、実行犯に対する透明な捜査を確保し、謝罪であれ金銭的な補償であれ、被害者の実効的救済を確保する必要性を物語っている」と声明を出した。
国連まで動いたことで、日本だけでなく世界中が関心を寄せている。ジャニーズ事務所は今月末か来月に会見を開く予定。そこでどんな話をするか注目されている。
一連の問題を注視している中には、アメリカの弁護士もいる。訴訟大国アメリカでは、「Ambulance chaser」(救急車の後を追いかけて病院に行き、患者に「訴えて損害賠償請求しましょう」と勧誘する弁護士)という言葉があるように、弁護士の方から接触する例は珍しくないという。
そのアメリカの弁護士が目を付けたのが、今回のジャニー氏による性加害問題だ。「すでに被害者に接触してきた弁護士もいるとのことです。国連の声明を受けて、この動きは加速しそうです」(芸能関係者)
ただ、アメリカの弁護士資格では基本的に日本で法廷に立ったり、法律業務を行うことはできない。にもかかわらず接触してきたのは、どういうことなのか?
「ジャニー氏の被害の場所は日本だけではないとのことです。中にはハワイなどアメリカ国内での被害を明かしている人もいます。アメリカで訴えようという狙いなのではないでしょうか」(同)
アメリカのセクハラ訴訟では、日本では考えられないほど巨額の賠償命令が下される例が後を絶たない。だからこそ弁護士もジャニー氏の被害者たちに何とか接触しようとしているのだ。
まずはジャニーズ事務所による被害者たちへの謝罪が最優先。金銭的な話はそのあとになるが、動向から目が離せない。