ジャニーズ事務所の創業者ジャニー喜多川氏(2019年死去)の性加害問題で、藤島ジュリー景子社長(56)や“長男”東山紀之(56)の謝罪がクローズアップされる一方、問題を見て見ぬふりしてきたファンにも批判の声が出ている。
1999年の「週刊文春」の特集以前、88年には元フォーリーブスの北公次氏がジャニー喜多川氏のセクハラを告発した『光GENJIへ-』を出版し、大ベストセラーになっている。ジャニー喜多川氏の問題は、少なくとも古参ファンなら知らないはずがない。
だがジャニーズ事務所のタレントが女性ファンから支持されてきたひとつが、“BL売り”だ。その文化は今でも根強く、男性同士の“セクハラ”が見逃されてきた一因とみる向きもある。
「ジャニーズのタレントはグループ内のメンバーでダンスなどの左右対称に位置する『シンメ(シンメトリーに由来)』や仲良しメンバーの『ペア』売りをされていて、ファンはペア推ししたり、互いの“イチャイチャ”したパフォーマンスに萌える構図です。たとえば『King & Prince』の神宮寺勇太(25)と元メンバー岩橋玄樹(26)のペアは、雑誌の企画でも恋人のように顔を寄せ合って抱き合っていたり、お互いに好意を寄せあう“設定”で知られていました。『Kis-My-Ft2』の宮田俊哉(34)と玉森裕太(33)のカップルは、2015年にコンサート内で“結婚式”を挙げています。ファン心理として、好きな男性が女性とくっつくよりも男性同士の“BLシチュエーション”のほうが受け入れやすく、これがジャニーズ事務所が絶対的な地位を築くひとつの人気の手法でした。だからジャニー喜多川氏の性加害問題が出ても、『本人たちが名乗り出ないならいいじゃない』といったスタンスが多かった。もし仮にジャニーさんではなく、女性幹部がジュニアにセクハラをしていたとしたら、ファンは絶対に許さなかったでしょう」(ジャニーズに詳しい芸能ライター)
ドラマでも、ファン心理を突いた“BL売り”が多かった。1994年には、「KinKi Kids」のブレークに繋がったTBS系連続ドラマ『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』に堂本光一(44)と堂本剛(44)がW出演。光一が剛を愛する役で、キスシーンが話題になった。
1993年の日本テレビ系連続ドラマ『同窓会』も同性愛やバイセクシャルがテーマだったが、「TOKIO」の元メンバー・山口達也(51)、現メンバーの国分太一(48)と元「V6」のリーダー・坂本昌行(51)が出演。いずれもバイセクシャルや同性愛者を演じた。
最近では、2021年にテレビ朝日系連続ドラマ『消えた初恋』で、「Snow Man」の目黒蓮(26)と「なにわ男子」の道枝駿佑(20)がW主演。男子高校生同士の恋愛模様を演じ、ファンの間で話題になったのも記憶に新しい。
《ファンまでもが沈黙で見て見ぬふりというのがどうにも理解出来ないジャニーズ事務所の性犯罪》
《ジャニーズがどうのと言ってるけど、ジャニーズのファンで特に中年女性で、この件に関して、罪のない人なんているかね?! さんざ北こうじの暴露本面白がって読んでたじゃん》
《ジャニーズのファンをはじめ、ジャニーズを楽しんで性被害に見て見ぬふりをしてきた人たちは、自分たちが何に熱狂して消費してきたか見つめ直す必要がある》《事実を知ってもなお傍観するファンが収入源としているせいでジャニーズの隠蔽は止まらない》
もちろんBLが問題なのではない。だが話題性のためにファン心理を利用し、タレント同士をイチャイチャさせる設定を意図的に“売り”にしていたとしたら……その延長でファンも男性同士のセクハラを見逃してきたのであれば、考えものだろう。