ジャニーズ東山紀之新体制を襲う〝降板ドミノ〟 「新規CM契約は皆無」の非情な現実

 ジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川元社長による性加害問題で揺れる同事務所の藤島ジュリー景子前社長、東山紀之新社長(56)、子会社ジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦(47)らが7日、都内で会見。4時間12分という長丁場の質疑応答をこなしたが、今後も逆風は収まりそうにない。〝解体的出直し〟からほど遠かった結果、待ち受けるのは降板ドミノだ。崩壊が近づいている。

 会見ではジュリー氏が9月5日付で代表取締役社長を引責辞任するとともに、東山の新社長就任を発表。ジュリー氏は「当面の間、代表取締役として被害者の救済、タレントの心のケア」に努め、「それ以外の業務執行にはかかわりません」と説明した。東山も権限を委譲されることが社長に就任する条件とした。

 正式な新体制は10月1日に発表する。すでに東山は、自身がメインキャスターを務める「サンデーLIVE!!」(テレビ朝日系)を降板。年内をもってタレント業を引退する。そんな並々ならぬ覚悟を見せたが、現段階では被害者の補償についての手法や金額などはこれから検討するとし、具体的な案を示すことはなかった。「まずは一歩踏み出すことが大事」(東山)

 あるテレビ局関係者の話。「具体的なことは何も決まっていないにしても、出てこないかもと言われていたジュリーさんが会見に出てきて、東山が4時間以上にわたって受け答えをしたことは評価されていいかもしれません」

 ただ案の定、東山社長にとって〝逆風〟の船出となった。「ジャニーズ性加害問題当事者の会」副代表の石丸志門氏が「過去の悪行が出るというリスクもある」と予言していた通り、会見では東山社長の過去のハラスメント疑惑に関する質問が飛んだ。

 2005年に元ジャニーズJr.の木山将吾氏が執筆した「SMAPへ―そして、全てのジャニーズタレントへ」(2005年)で書かれたハラスメント疑惑について、東山社長は「僕はその本を読んでいないのできちっとは分かりませんが、事実ではないと思っています」と釈明。さらにツッコまれると「本当に覚えていないことの方が多くて、もしかしたらしている可能性もあるし、もしかしたらしていないかもしれないし。若気の至りがあったりとか、その時の自分の幼稚さ、そういうものがあったと思う」とトーンダウン。いきなり「社長の資質」について問われる事態となった。

 そもそも東山社長はジャニー氏やジュリー氏と親密な関係で、現段階ではジュリー氏は100%株主のまま。ジャニー氏の名前を冠した事務所名も変えなかった。外部専門家による「再発防止特別チーム」は〝解体的出直し〟を提言したが、到底そこからほど遠いと言わざるを得ない。

 これに早速反応したのが、クライアント企業だ。相葉雅紀をCMに起用している大手損保会社の東京海上日動火災保険はジャニーズとの契約を更新せず、契約解除も検討するとした。また、日本航空も「適切な対応が取られるまでの間、広告への起用を見送る」と表明した。

「今のCMクライアントの中で、契約更新するかどうかを悩んでいる企業がほとんど。まして新規でジャニーズとCM契約をしようと考えているところは皆無です。いかにこれからのマイナスを食い止められるかが、事務所運営をするうえで、新社長に突き付けられた大きな課題となります」(広告代理店関係者)

 CM業界から起こったこの流れは、テレビ番組に影響することは必至だ。「過去に不倫で騒がれたタレントは多くのレギュラー番組を抱えていたが、急にテレビに出られなくなった。テレビ局はOKだったのだが、CMスポンサーがNOを突きつけたから。これと同じことがジャニーズにも起きかねない」(テレビ局関係者)。いつ降板ドミノとなってもおかしくない状況だ。

 体制刷新をアピールしたかった会見だが、成功したとはとても言えない。この先に待っているのはあまりにも厳しい茨の道だ。

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