ジャニーズ“紅白出場ゼロ”にファン悲鳴 芸能レポーター「NHKから申し出るのはおかしな話」

故・ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、企業やテレビ局の“ジャニーズ離れ”が進んでいる。年末のNHK紅白歌合戦にジャニーズの所属タレント出場“なし”も現実味を帯びてきた。街の人はどう捉えているのだろうか。 【写真】サプライズ出演が期待される「元SMAP」のメンバーはこの人  9月27日の定例記者会見で、NHKの稲葉延雄会長が「事務所による被害者への補てんや再発防止策の対応が十分と判断するまで、事務所所属タレントの新規起用は控えること」を明らかにした。契約済みの番組は起用を続けるというが、紅白歌合戦は新しい仕事扱いになることから、同日開かれたメディア総局長の定例会見では、山名啓雄メディア総局長が「現時点では紅白に出場しない」とした。  ショックを隠さないのはファンたちだ。 「ふざけないでほしい。当のジャニーさんは亡くなっていて、所属しているタレントはむしろ被害者。仕事がなくなるのはかわいそう。紅白も出場できなくて、“カウコン”(ジャニーズカウントダウンライブ)も放送されないとしたら、ひど過ぎる」  そう、ジャニーズのファン歴15年以上という30代女性は胸の内を明かした。“カウコン”とは、ジャニーズに所属するタレントたちが出演する年越しライブのこと。一部報道によると、現時点ではこのカウコンの開催も危ぶまれている、とされている。  関東圏内の4年生大学に通う20代の女性も、「悪いのはジャニーさんと事務所」とし、「所属タレントまで出演の機会を奪うのは筋違いでは」と納得のいかない様子だった。  同様の声は、ファン以外からも聞こえた。 「悪いのは事務所。責任を追うのは会社の運営側のみであるべき。タレントを使うことを控えるのはどうか」(金融機関に勤める30代男性) 「知っていて見て見ぬふりをしたのならいざ知らず、ジャニーさんの性加害を知らなかったタレントから、活動の機会を奪わなくてもいいのでは」(IT企業に勤める40代男性)

 週刊誌記者を経て芸能リポーターとして活動する石川敏男氏は、「いまここへきて、紅白歌合戦にジャニーズタレントを出さないというのは、ヘンだと思いますよ」と言う。 「今までの選び方が正しかったとは言わないけれど、紅白には『楽曲のヒット』『広く認知されているか』など、わかりやすい基準があった。そこをクリアしていたら、性加害をしたわけではない現・ジャニーズ事務所に所属しているタレントさんたちが出演することは、何ら問題はないはず」(石川氏)  NHKは過去に紅白歌合戦の選考基準として、「今年の活躍」「世論の支持」「番組企画にふさわしいか」などを明らかにしている。  石川氏は性加害を「ジャニー喜多川氏個人が犯した問題」としながらも、「その創業者が長い間中心となり、会社を大きくし、社会的にも世界的にも大きな問題になった」と指摘。 「ジャニーズ事務所がカウントダウンコンサートを今年は中止にするというなら、それは会社としてのけじめのつけ方かもしれません。ただ、公共放送の国民的番組に放送局側から出演見送りを申し出るのはおかしな話。NHKに特定の企業がスポンサーとしてついているなら別ですが、NHKにはスポンサーがない。いままでの基準で選べばいい」  そうは言いながら、出演者ゼロとなった場合の紅白について、こう語った。 「NHKの一大イベントである紅白歌合戦に、ジャニーズタレントが出演しないことになったら、どんな出演者が名を連ねるのか。そういう意味では『変化』が生まれるのが今年なのかとは思います」  “事務所の対応が十分と判断するまで”、つまり、いまの体制のままでは、ジャニーズのタレントの紅白出演は“ない”。ジャニーズ事務所は10月2日午後、記者会見を行い、“新体制”を発表する予定だ。 (AERAdot.編集部・板垣聡旨、太田裕子)

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