ジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川さん(享年87)の性加害問題で、テレビ局も重い腰を上げざるをえなくなったようだ。 【画像】すごい…!流出した若手ジャニーズと女性との「密着写真」…! ジャニーさんの性加害をめぐっては、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏らが告発。英BBCなども大きく取り上げ、ついにパンドラの箱が開いた。 これを受け、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が公式ホームページに謝罪動画をアップ。一問一答形式の声明も併せて公表された。 「声明ではカウアン氏ら告発者に詫びてはいるものの、ジャニーさんの性加害については『知らなかった』と説明しています。これに対して『無理がある』という声が殺到していますが、これまで頑なに沈黙を続けてきたジャニーズ事務所が性加害について公に認めたことは大きな一歩であるとは思います」(広告代理店関係者) 今回の問題はジャニーズ事務所に過剰忖度してきたメディアに対しても厳しい目が注がれている。ジャニーズなくして番組制作できないテレビ局と、ジャニーズ人気にあやかってきた朝刊スポーツ紙、それと一部女性誌がそれに当たる。とあるマスコミ関係者が語る。 「ジュリー社長の動画を受けて、テレビも朝刊スポーツ紙も扱わざるをえなくなりましたが、必要最小限の報道にとどまっている印象です。この期に及んで忖度かと思いましたが、某スポーツ紙のデスクに聞くと『我々にも責任の一端がある。手の平返ししてジャニーズを叩くのは違う』と語っていました。御用メディアは御用メディアで葛藤しているようです」 テレビに関して言えば、報道番組などで扱う回数も増えてきた。 11日放送の『news23』(TBS系)では小川彩佳アナウンサーが 「報道機関がどれだけこうした被害を報道してきたのか。少なくとも私達の番組ではお伝えしてこなかったという現状があります」 と説明。約10分にわたり、カウアン氏の発言などを取り上げた上で 「このカウアンさんの発言は非常に重く、この言葉には向き合わなければならないと感じています」 と受け止めた。 嵐・櫻井翔がフレームアウトした『news zero』(日本テレビ系)では、フリーアナウンサーの有働由美子が代表して 「まずは性被害については、被害者のケアを最優先に考えてほしい。そして、エンタメを通じて、たくさんの夢を見せてきてくれたジャニーズだからこそ、ファンや私たちが迷いなく夢を見続けられるようにしてほしい。そのためには、今回の説明にとどまらず、プライバシーを十分に守った上ですが、情報をオープンにする社会的責任を果たしていくべきだと思います」 とコメント。 同局の石澤顕社長は22日の定例会見で、この問題について 「進行中の案件とみております。ジャニーズの社長が自ら公表なされた事務所としての姿勢や、どうやるべきことを進めていかれるのか、注視をしてまいりたい。性暴力はあってはならないという基本的な姿勢に立って、必要とするものに対してはしっかり放送していく」 と述べた。 とある民放キー局では、これまでのジャニーズ報道に関する〝検証番組〟の制作が進んでいるという。 「複数のメディア関係者を招いて、ディスカッション形式で『ジャニーズ報道のあり方は正しかったのか』を討論するそうです」(テレビ局関係者) テレビ局の制作セクションは大まかに「報道」と「それ以外」に分けられる。報道局の記者いわく 「ジャニーズのスキャンダルをやろうものなら、確実に〝それ以外〟の部署からストップがかかる。そうした文化がいつしか当たり前になり、現場では『どうせジャニーズはやれない』という空気感になっていた」 それが自発的に〝検証番組〟を制作するのだからえらい変わりようだ。この辺りの事情について前出テレビ関係者は 「1つはメディアとしてどこかでケジメをつけないといけないということ。相変わらず〝それ以外〟の部署はビクビクしていますが、今回は報道が押し切った。もう1つは世間や番組スポンサーの目ですね。毅然とした姿勢が求められているんです」 と解説する。 日テレ石澤社長の言うように、まだこの問題は進行中の案件だ。歌舞伎俳優・市川猿之助の事件でかすみつつあるが、決してうやむやにしてはならない――。