ジャニーズ事務所の創業者、故ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐり、被害を訴える元タレントらでつくる「ジャニーズ性加害問題当事者の会」が4日、東京都内で記者会見を開いた。事務所に対して被害者との対話や基金の設立などを要望し、近く刑事告発をする意向があることも明らかにした。 【写真】「ジャニーさんごめんね」40年経て告白した元ジャニーズjr. 「自分も立派な加害者だ」 当事者の会によると、刑事告発の書類をまとめており、海外での訴訟や人権救済の申し立ても検討しているという。 事務所が設置した外部の専門家による「再発防止特別チーム」は、8月末に調査報告書を公表。喜多川氏について「長期間にわたって広範に性加害を繰り返していた事実が認められた」とし、事務所に対して藤島ジュリー景子社長の辞任を求めた。被害救済や再発防止策として、被害者への真摯(しんし)な謝罪と対話の開始、適正な補償をする「被害者救済措置制度」の構築などを提言に盛り込んだ。 当事者の会が4日公表した事務所への要請書では「事実究明及び対話救済の対応を進めるメカニズムにおいて、被害者との直接かつ十分な対話・協議を組み込み、被害者に寄り添った対策を進めることが必要不可欠」と指摘。それを踏まえた上で、基金や委員会の設置を求めている。 この日の記者会見には、会のメンバーの7人が参加。代表の平本淳也さん(57)は「事務所の会見の日まで黙って待つことができなかった。ジャニーズ事務所が一方的に案を講じるのではなく、被害者と対話し、その声を生かしてほしい」。副代表の石丸志門さん(56)は「事務所には要望をくみとっていただき、真摯に対応していただきたい」と話した。 また、当事者の会は9人目のメンバーとして元ジャニーズJr.の長渡康二さん(40)が加わったと発表した。長渡さんは1996年の夏ごろに性被害に遭ったと言い、「被害者が声をあげやすくなればと思い、参加することにした」と話した。 70年前に喜多川氏から性被害を受けていたと告白した俳優の服部吉次さん(78)も会見に出席し、当事者の会に協力する意向を示した。 事務所は7日に記者会見を予定している。(島崎周)