日本航空グループのジャルパックが、ジャンボジェットの愛称で知られる大型機「ボーイング747-400」が今年度中に退役するのを受けて発売したツアーが、航空機ファンを中心に話題となっている。
日航は航空機のダウンサイジングで効率化を図るため、保有する36機の旅客用ジャンボをすべて引退させる予定となっているが、ツアーが人気となれば、日航再建に向け最後のご奉公となりそうだ。
ツアーは、大阪万博が開催された昭和45年に就航したのにちなみ、成田から万博開催中の中国・上海に定期便で行く。出発日は9月30日~10月9日で、それぞれ30人限定。上海万博の入場券や上海市内の地下鉄、バス、タクシーが使える50元(約600円)分のICカードなどが特典で付く。3~4日間の宿泊費込みで、価格は8万9800円~10万9800円。ジャルパックによると「ジャンボ退役の話題性もあり、問い合わせが相次いでいる」という。
定員400人を超え大量輸送時代の一翼を担ったジャンボは、内外の路線で花形として活躍した。とくに日航は累計109機を導入した世界最大のユーザー。しかし、景気低迷による旅客数の減少や燃料費の高騰で、非効率なジャンボが日航の経営を圧迫するようになった。今後は、燃費の良い中・小型機にシフトしていく方針だ。
全日本空輸もジャンボを13機保有するが、国際線は今年度中に使用を終える予定。国内線についても、27年度までに新型機に更新する計画だ。