東北大青葉山新キャンパス(仙台市青葉区)に整備された次世代放射光施設「ナノテラス」の運営を担う3機関は20日、スウェーデンの放射光研究施設と覚書を結んだ。研究課題の共有や人材交流を積極的に進め、さらなるイノベーション(技術革新)の創出に取り組む。
ナノテラスの本格運用が始まった4月以降、国内外の研究機関と覚書を締結するのは初めて。
調印式はナノテラスであり、量子科学技術研究開発機構(千葉市)ナノテラスセンターの高橋正光センター長、光科学イノベーションセンター(仙台市)の高田昌樹理事長、高輝度光科学研究センター(兵庫県)の雨宮慶幸理事長、スウェーデン側のマックスフォー研究所のオーロフ・カーリス所長が出席。技術者や研究者の相互派遣などを見据えた覚書に署名した。
カーリス所長は「共同研究や課題共有の機会が増えるので、とても有意義だ」と述べた。
最先端技術を用いた第4世代型放射光施設はナノテラス、マックスフォーを含め世界に4施設あり、マックスフォーは2016年に世界で初めて運用が始まった。高橋センター長は取材に「最先端の施設であり続けるために世界の技術を取り入れ、ナノテラスの高性能化を強力に推し進める」と語った。