建設中の東京スカイツリー(東京都墨田区)が1日午後1時25分ごろに高さ600メートルを突破し、自立式電波塔では“世界一”となった。アンテナを取り付ける「ゲイン塔」を塔本体部から突き出す作業を行い、前日までの594メートルから背が伸びた。月内には最終到達点の634メートルに達し、年末に完成し、来年春には営業オープンする。
これまでの自立式電波塔の世界一は、昨年6月にオープンした中国広東省の「広州タワー」(600メートル)。これを2008年7月の建設着工から、約2年7カ月で抜き去った。当初は2月28日に達成する予定だったが、悪天のため、外部工事が中止され、お預けとなっていた。
スカイツリーは、09年4月に地上での鉄骨の組み上げ作業が始まり、昨年3月29日に東京タワー(333メートル)を超え高さ日本一を樹立。今年1月16日には559メートルに達し、カナダ・トロントの「CNタワー」(553メートル)を抜き、世界2位になっていた。
最高到達点の634メートルは東京の旧国名「武蔵」(ムサシ)にちなんでいる。
ツリーの事業主体は、東武鉄道グループの東武タワースカイツリーで、施工は大林組が担当。総事業費は650億円にのぼる。
第一生命経済研究所では、開業後に年300万人が訪れ、経済波及効果は500億円近くに上ると試算している。世界一となったことで、周辺のビュースポットを訪れ、スカイツリーを仰ぎ見る人はさらに増えそう。“ツリーブーム”はさらに盛り上がり、完成前から巨額の波及効果をもたらしそうだ。