スピノサウルス類の化石発見 西日本初、和歌山

和歌山県立自然博物館(同県海南市)は14日、同県湯浅町の海岸で、白亜紀前期(約1億3千万年前)の地層から魚食性恐竜スピノサウルス類の歯の化石が見つかったと発表した。国内では3例目で、西日本では初めて。

 公開された化石は長さ約14ミリ、最大幅約7ミリ。大阪府東大阪市の会社員で化石採集家の宇都宮聡さん(49)が昨年10月、海岸に転がっていた岩の中から発見。東京都市大の中島保寿(やすひさ)准教授が鑑定し、表面の筋や断面の特徴などからスピノサウルス類と特定した。体長約3~5メートルの個体の歯と推測される。

 同博物館によると、スピノサウルス類は水中で泳ぐことが得意で、主に魚を捕食。体長15メートルに達する大型もいたという。化石はこれまで群馬県神流町(かんなまち)で2例のほか、東南アジアでも見つかっている。

 同博物館の担当者は「和歌山県を含む地帯と東南アジアの地帯が白亜紀前期に近い位置関係にあったことを示しており、大変重要な発見だ」としている。化石は修復後、同博物館で一般公開される予定。

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