スペインの合唱団など招待し歌で交流へ 石巻・仙台の団体

 宮城県石巻、仙台両市の有志による市民グループが31日~8月7日、慶長使節団が訪れたスペイン南部のコリア・デル・リオ市でハポン(日本)姓を名乗る俳句愛好家や合唱団の計30人を両市に招く。両市の合唱団と、「ハポンさんたちと祝う慶長遣欧使節団400周年記念コンサート」を開くなどして交流を図る。
 コンサートを企画したのは、東北大男声合唱団のOBらによる混声の「合唱団『萩』」と、石巻市文化協会などでつくる「俳句と合唱でつなぐ日西文化交流プロジェクト実行委員会」。
 コリア・デル・リオ市には使節団の縁で、ハポン姓が800人以上いるという。東日本大震災後、同市のハポンさんらは仙台市が贈った支倉常長像の前に集まり、遠い古里をしのんで俳句を詠んだ。俳句を翻訳した俳人の黛まどかさんが知り合いの「萩」の団員に声を掛け、今回の交流企画が持ち上がった。
 実行委事務局長の新沼慎二さん(51)=青葉区=は「遠く離れた場所にいる人たちの思いは、被災地への励ましになると思う」と語る。
 ハポンさんら一行は31日に石巻市を訪れ、石巻川開き祭りの灯籠流しに参加し、震災の犠牲者を悼む。8月2日午後6時から、市中央公民館で地元合唱団約70人とモーツァルト「アベ・ベルム・コルプス」を披露する。
 4日は午後2時半から、青葉区の元寺小路カトリック教会で「萩」の団員約70人とビクトリア「ミサ曲」を歌う。6日には仙台七夕まつりを見物する。
 実行委代表の平川新東北大災害科学国際研究所長(62)は「慶長三陸地震(1611年)の2年後に慶長使節団が出帆し、今回は震災から2年後にスペイン側を迎える。400年の時空を超えて交流できることになり、うれしい」と話す。
 コンサートはともに入場無料。整理券が必要で、石巻は公民館や楽器店、仙台は元寺小路カトリック教会で配布している。運営の寄付も募っている。連絡先は新沼さん022(394)5607。

タイトルとURLをコピーしました