スマホ、電話代「節約アプリ」選びのコツ 通話相手ごとに使い分け

 スマートフォン(スマホ)の出費を減らしたい-。そんな人は電話代の“節約アプリ”を活用してみてはいかがだろうか。スマホに無料の専用アプリを入れて使う格安通話サービスが続々登場しているのだ。いろいろと比較してみて自分にピッタリ合った節約法をさがしてみよう。(中山忠夫)
 スマホはゲームや動画を楽しむのに便利な半面、通信量が多く料金プランも高め。従来型の携帯電話から替えた人には「月々の支払いなど負担が重くなった」という声も聞かれ、一般的な定額プランで月々1000~1500円ほど支出が増えるケースが多い。
 さらに課金制のサービスを別途契約したり、家族の中でスマホを使う人が増えたりすれば、家計の出費は一層かさむ。サーベイリサーチセンター(東京都荒川区)が昨年実施した調査によると、スマホに替えた人がいる家庭では月平均3300円の負担増になったとのデータもある。
 そこで役立つのが「通話アプリ」だ。音声をインターネット回線のデータに換えて通話する仕組みで、同じアプリの利用者同士であれば、携帯各社の定額データ通信料金の範囲内で無料で話せる。ITや通信業界の大手各社が次々にサービスを提供しているが、どう選べばいいのか。
 「普段どんな相手とよく通話するかによって、賢く使い分けましょう」
 節約アプリに詳しいITライターの村元正剛さんはこうアドバイスする。「仲間うちのコミュニケーションに使う無料メール機能が主体の『ライン』などは、無料通話も家族や友人同士といった“より近い間柄”であれば便利。利用者同士以外には通話できないので、相手が限定される点に注意が必要です」
 相手のアプリに関係なく、090などで始まる携帯電話や一般の固定電話にもかけたいという“通話本位”で使う人には、『050プラス』や『スカイプ』が役に立つという。
 このうち『050プラス』は050で始まる電話番号が割り当てられるため、アプリ同士だけでなく、いつも使う電話の感覚で固定電話や携帯とも通話できるのが特徴。スマホ1台で2つの電話として使い分けも可能だ。「アプリ利用に基本料がかかりますが、それを差し引いてもかなりの節約になります」と村元さん。
 とくに固定電話にかける際の通話料(3分8・4円)は最安の水準で、携帯各社の一般的な料金プラン(30秒21円)を考えると、基本料金の上乗せ分があっても毎月8分30秒以上かければ元が取れる計算だ。他社の携帯への通話も月に12分30秒を超えれば割安になる。
 消費生活アドバイザーの和田由貴さんは「仕事でよく通話する人には『050プラス』が便利。取引先との連絡などは相手の固定電話や携帯にかけることも多くなりますから」とアドバイスする。
 通話アプリは起動したままだとスマホの電池が減りやすくなったり、ネット回線の接続状況などによって通話が不安定になったりすることもあるが、最近は企業努力で改善も進んできた。和田さんは「現行のスマホ利用者も、この先“スマホデビュー”する人も、通話アプリは大きな節約効果が期待できる必須アイテム」と話している。

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