スマホと喫煙者数減も要因? 「ガム離れ」が進むワケ

ここ10年でガムの販売数減少に歯止めがかからず、「ガム離れ」が進行中だ。その要因が少子化によるものではなく、「代替品」の台頭によるものだと「毎日新聞」が報じたことで、ネットでは議論となっている。

「日本チューインガム協会」によると、2017年のガムの小売金額は1005億円で、2004年の1881億円からほぼ半減。また、「全日本菓子協会」によると、同じ2004年比で「チョコレート」は35%、「スナック菓子」は19%、「飴菓子」(グミ含む)は9%上昇していた。記事では、これらの「代替品」の伸びとともに、コンビニのコーヒーとの競合を指摘。利用目的はもちろん「ついで買い」を誘う用途と重なるため、その販売の好調さも見逃せないという。

だが、ライバルは食べ物ばかりではく、「スマホ」もそのひとつのようだ。米テックメディア「レコード」では、iPhoneの出荷が始まった2007年以来、欧米ではガムの売上高が15%減少したことを、スマホの台頭と結びつけている。曰く、衝動買いを狙いスーパーのレジに置かれるガムを、スマホに夢中になることで見過ごしてしまい、購買機会が失われたとのこと。

さらに市場調査会社「ユーロモニター・インターナショナル」は、「喫煙者数の減少」が要因だと分析する。ガムは、日本の商品のメインターゲットである喫煙者数の減少によって、10年以上にわたって販売数が低下していると指摘。東京五輪を前に飲食店で喫煙制限がかかれば、その流れに拍車がかかり、2022年には売上高が880億円まで減少すると予測している。

こうしたさまざまな要因が考えられる「ガム離れ」。Twitterでは、

“自分は昔からあまりガム好きではなかったので気づかなかったけど、確かにガムを噛んでる人をあまり見かけないし道に落ちてるのも減った気がする。”
“たしかに、この間帰国したときグミコーナー拡大したなと思いました。グミとガムは噛み応えで競合している気がする…。ガムは捨てるのもめんどくさいし。”

とガム離れを実感している声が数多く寄せられている。さらに、

“スマホが出てから買わなくなったし、競合はスマホだったよねー”
“スマホ普及が影響大。基本的に【~離れ】の主たる原因はスマホだと考えても良いんじゃないかな。。”

と「レコード」の分析と同様、スマホが一因だとする声もあった。また、

“中年が噛んでいる理由は、歯周病による口臭が気になるからか、禁煙対策くらいかなと思う。”
“禁煙の進捗と比例してるのでは?昔は「喫煙の代わりに、口寂しいからガム」だったのが、禁煙が進んで「口寂しいガム」のニーズが少なくなった”

と「ユーロモニター・インターナショナル」の分析通り、喫煙との関係を指摘する声も出ている。

ガムを取り巻く環境が厳しさを増している中、歯の健康を考えた商品や人気キャラクターをパッケージに採用するなど努力は続いているが、果たして打開策は見つかるのか。
(山中一生)

■関連リンク
ガム存在感薄れ半減 競合増え大台割れ目前‐毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20180617/k00/00m/040/126000c

How Apple’s iPhone changed the world: 10 years in 10 charts
https://www.recode.net/2017/6/26/15821652/iphone-apple-10-year-anniversary-launch-mobile-stats-smart-phone-steve-jobs

COUNTRY REPORT GUM IN JAPAN
http://www.euromonitor.com/gum-in-japan/report

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