スマートフォンの女性ユーザーが着々と増えるなか、注目が集まっているのが“女子向けアプリ”だ。人気のミニブログ「ツイッター」や料理、美容など便利なツールがたくさんあるが、今春の新機種の多くに搭載されている米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」対応のアプリは日本ではまだなじみが薄いのが現状。アプリ開発者らからなる「日本アンドロイドの会・女子部」のメンバー4人に魅力を聞いた。(池田証志)
■携帯より楽しく
「スマートフォンだから難しいと思われがちだけど、新しい携帯を買ったのと同じ。使いながら覚えられますよ」。女性を意識したアンドロイド携帯「IS05」(KDDI)の画面に触れながらこう解説するのは、会社員のtunakkoさん。特に新機種には、おサイフケータイや赤外線通信、デコメなど、通常の携帯電話の便利機能が装備されており、“乗り換えやすさ”が重視されている。
また、パソコンで親しんだフラッシュ(動画やゲーム用ソフト)も再生できる。
米調査会社コムスコアによると、昨年11月~今年1月の米国のスマートフォン市場で、アンドロイド携帯のユーザーのシェアは31・2%と、初めて首位に立った。米アップルのiPhoneは、24・7%で3位だ。
「無料アプリでなんとかなるのが、アンドロイドのいいところ。パソコンがなくても一通りのことができてしまう」と話すのは、ケータイライターの平戸京子さん。「ツイッターやフェイスブックとつながりっぱなしになって、通常の携帯電話でやっていたときより楽しくなりました」
■ツイッターも手軽
iPhone同様、アンドロイドにも「ついっぷる」「twicca」など、使い勝手の良いツイッター用アプリがいくつもある。会社員の豊嶋恵さんも「青山(東京)のカフェとかでランチの写真を撮ったときに、簡単にツイッターに載せられます」と、にっこり。
このほか、「『クックパッド』でメニューを調べるのも便利」「『グーグル・スカイマップ』は星座を見ることができてとてもロマンチックです」と、お薦めアプリは尽きない。
昨年10月には、10万件超えが公表されたアンドロイド・アプリ。ダウンロードサイト「アンドロイド・マーケット」では、あらゆるアンドロイド・アプリを入手できる。女子部がお薦めするのは「アンドロイダー」や「andronavi」といったアプリレビューサイト。「私はツイッターで情報を拾う」(tunakkoさん)という手もある。
11日の東日本大震災では、通信網が乱れていた時間帯でもtwiccaで情報収集しながら帰宅したというデザイナーの矢野りんさん。「避難所情報や被害状況も把握でき、家族とも連絡を取り合えて助かりました」と改めてスマートフォンの威力をかみしめていた。
【Q】好きなアプリは
■「ゲーム」が最多の67%
10~30代の女性がスマートフォンを購入したい理由は「アプリが豊富」と「インターネット機能が使える」がともに59・4%で最も多いことが、MMD研究所の調査で分かった。
10~30代の女性700人を対象に2月に実施したアンケートで、スマートフォンの購入を検討中の180人が複数回答で答えた。
また、興味・関心のあるアプリのジャンルは「ゲーム」が最多で66・7%。「写真」「地図、ナビ・交通系」がともに65・6%、無料通話アプリ(56・7%)、SNS系(56・1%)と続いた。
欲しいスマートフォンの色は「ピンク」(43・9%)、「白」(37・8%)、「黒」(36・7%)の順。スマートフォンに求めることとして、「カラフルでかわいい色」「コンパクト」など、女性らしい回答も目立った。一方、全体の45%がスマートフォンを購入する意向を示した。