スマホ冬商戦、10代のau端末購入シェアが大幅増–ドコモ・ドットコム報告書

 ドコモ・ドットコムによる、モバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の最新号より、スマートフォン購入状況調査の一部をお届けする。
 ドコモ・ドットコムの定期調査から、2012年12月から2013年1月におけるスマートフォン端末の購入状況をみると、2012年10月において顕著に表れたiPhone5 人気がやや落ち着きを見せ、一方で2012年冬モデルの発売を背景としたドコモ端末の躍進が感じられる動きとなった。
 10月、11月における調査では、2カ月連続でau、SoftBank に購入者数で及ばない結果を示したドコモだったが、12月購入者数においては全体の約45%を確保し、ほぼ全世代において最多シェアを記録している。2013年1月では他キャリアにやや詰められるも最多シェアを維持するなど、結果的には2012 年冬モデル発売効果が感じられる結果となっている(図1参照)。
図1:2012年12月~2013年1月のスマートフォン購入状況
図1:2012年12月~2013年1月のスマートフォン購入状況
 一方、世代別の購入状況に注目すると、特定層における特徴が明確に表れている。2012年12月時にもその傾向が表れているが、特に1月において、10代のau端末購入シェアが大きく伸びており、約半数を占める結果となった。iPhone5人気が後押ししているのが最大の要因ではあるが、「Xperia acroHD」などといったAndroid端末も数多く購入されている動きが見られるなど、店舗での割引といった低価格訴求が奏功している模様である。
 また1月には、SoftBank のシェアも全世代において伸びを見せており、特に30代においてはauを抜いてシェア率2位を記録するなど、12月の購入者数減から盛り返す動きを示している。このような動きを総合的に見ると、ドコモの2012年冬モデルの発売効果は出現したものの、iPhone5人気に影響を受ける形で以前ほどその効果は長続きしていないように感じられた。
 2013年1月における人気機種の内訳を見ると、SoftBank及びauのiPhone5 が相変わらず最も売れており、次いでドコモの2012年冬モデル端末が続く形となっている。ドコモ端末においては、以前は「GALAXY」シリーズなどといった海外メーカー端末に人気が集まる傾向が特徴的だったが、国内メーカーのラインナップや、搭載機能の充実が図られたことなどから、「AQUOS PHONE」「Xperia」「ARROWS」等といった様々なブランドに支持が分散している模様である。またauやSoftBankにおいても、「htc J butterfly」や「PANTONE 6」といったAndroid端末も一定数購入されており、au 及びSoftBank においても、iPhone 一辺倒からAndroid 端末を含めた形で徐々に多様化がうかがえるようになってきた感もある(図2)。
 次に、スマートフォンでのブラウジングについて、本調査実施時と半年前に行った調査時の結果を比較する形で見てみたい。スマートフォンでブラウジングする際の不満点として挙げられる項目の傾向は変わっておらず、依然として「リンクボタンが小さくて押しづらい」「PC向けのWebサイトがそのまま表示されると、スクロールや拡大・縮小などの操作が面倒」といった項目が上位に挙がっている。
 ただしその回答数に注目すると、半年前の2012年6月時に比べ、すべての不満要素に対する回答数が下がっており、逆に「不満はない」という回答が増加している(図3、図4:※拡大しても見づらい場合は、ダウンロードしてご参照ください)。
図3:スマートフォンでブラウジングする際の不満点(2013年1月時)
図3:スマートフォンでブラウジングする際の不満点(2013年1月時)
図4:スマートフォンでブラウジングする際の不満点(2012年6月時)
図4:スマートフォンでブラウジングする際の不満点(2012年6月時)
 これは、ユーザーがこの半年間でスマートフォンの操作に慣れてきたことが明らかに感じられる動きであり、以前に比べ「使いにくい」と感じるユーザーが減少してきていると言えるだろう。ただし、「画面が小さく見にくい」という回答に関しては、30代以上に限ると以前とあまり変化はなく、中高年齢層にとって細かい文字等は依然として不満の対象となっている模様である。また、女性においてはこの「画面の小ささ」に対する不満は更に増えており、加えて「リンクボタンが小さくて押しづらい」という不満が男性以上に多いのも特徴となっている。
 ネイルファッションを楽しむユーザーが多いことなどもその要因と思われるが、全体的に不満が減少したとはいえ、不満要素は年代、性別毎に特徴的に出現しているのも事実である。
 対象とするユーザー層に合わせた不満改善は、サービス内容の向上と併せて、きめ細やかに実施していくことが引き続き重要であるといえるだろう。

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