株式会社博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所は10日、「メディア定点調査2013」の結果を発表した。生活者と情報メディアの接触状況を継続的に分析したレポートで、それによると、東京地区では直近1年間で、スマートフォン所有率が約14%、携帯電話(スマートフォンを含む)からのインターネット接続時間は全年代平均で1日あたり10分以上伸びていることが分かった。
調査は、15~69歳の男女を対象に、2月2日~14日に郵送調査で行われた。回答サンプル数は2614件。2012年度の住民基本台帳をもとに、性別・年代別でウエイトバック(解答比重の調整)を実施した。なお、対象地域は東京都、大阪府、愛知県、高知県の4つだが、今回のレポートはすべて東京地区のデータのみを公表している。調査実施機関は株式会社ビデオリサーチ。
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の主要4メディアに、パソコンからのインターネット接続、携帯電話(スマートフォンを含む)からのインターネット接続を加えた合計6メディアの1日あたり接触時間は(週平均)は353.1分。2011年調査では350.0分、2012年調査では351.4分と、変動幅はごくわずかで、普段の生活においてのメディア接触は、ほぼ飽和状態にあると分析されている。
一方、接触メディアの構成比は変化した。最も顕著なのが携帯電話からのインターネット接続で、50.6分。1年前と比較して10.2分伸びていた。逆に、テレビは151.5分だが、こちらは1年前の161.4分から9.9分短縮。パソコンからのインターネット接続も72.8分で、やはり1年前の77.1分から4.3分減らしている。
性別や年代によっても、メディアとの接触状況は大幅に異なる。携帯電話からのインターネット接続は、15~19歳の男女と20代女性では1日あたり100分を超えており、全年代平均の50.6分と比較して倍以上の値となった。また、調査年での比較を加味すると、20~29歳女性はこの1年で、携帯電話からインターネットに接続する時間が1日あたり52.1分も増え、合計119.9分に達した。
また、スマートフォンの所有率は2011年が16.5%、2012年が31.0%だったが、今回の2013年調査では45.0%に伸びている。
テレビ視聴中の携帯電話利用についての調査も行われた。「携帯やスマホを操作しながらテレビを見ることがあるか」との設問には、20.2%が「よくある」、28.4%が「たまにある」と回答。合計では半数に迫った。ただし、「テレビを見ながら、その番組に関する書き込みをしたり、読んだりすることがあるか」の設問では、「よくある」が3.7%、「たまにある」が11.1%にとどまった。