スーパーに並び始めた24年産の新米、品薄は解消に向かっているが…昨年産より3〜5割高く

今月に入り、2024年産の新米がスーパーなどに並び始めた。コメの品薄状態は解消に向かっているが、新米価格は23年産米に比べて3〜5割高く、消費者を悩ませる状況が続いている。

 6日午後、東京都足立区の「スーパーさんよう」には、茨城県産や千葉県産の新米コシヒカリ(1袋5キロ)が50袋以上、積み上がっていた。値段は1袋3000円台で、昨年の約1・5倍という。

 さいたま市南区の建設業の男性(72)は「もうコメが底をつきそうだった」と1袋を購入。「でも値段は高いね」とこぼした。一方、近くの会社員女性(47)は「高校生、中学生の息子がいるので、月20キロ近くコメを消費する。この値段では家計が成り立たない」と購入を断念した。

 同店の阿部芳邦取締役は「品薄は新米の入荷で落ち着いたが、仕入れ値が高く、店頭価格も上げざるを得ない」とし、「高いと客も離れかねない」と懸念する。

 東京や大阪などの大消費地では8月、23年産米の不足に加え、南海トラフ地震臨時情報に伴う買いだめも起こり、品薄状態が続いていた。今月から新米が出回り始めたが、需給バランスが崩れた影響で価格が高騰。業界関係者によると昨年より3〜5割高いという。

 コメの流通に詳しい日本総合研究所の三輪泰史氏は「新米が本格的に流通する今月下旬頃には、品薄が解消され、異常な高騰も収まるはず」とみる。ただ、肥料代や燃料代などの生産コスト増による値上げは避けられないといい、「昨年より1割ほど高い価格が維持されるだろう」と話す。

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