帝国データバンクは、2007年から19年のスーパーマーケット経営業者の倒産動向(負債1000万以上、法的整理のみ)について集計・分析した調査結果を発表した。19年のスーパーマーケット経営業者の倒産は30件(前年比42.9%増)となり、12年以来7年ぶりに前年比増加となったことが分かった。
負債総額は188億3000万円(前年比125.4%)とこちらも増加。内訳は負債「1億円〜10億円未満」が16件(構成比53.3%)で、中規模の倒産が半数を占めた。また、負債50億円以上の倒産が6年ぶりに発生した。
態様別にみると、「破産」が25件(構成比83.3%)で最多。ついで、「特別清算」4件(同13.3%)、「民事再生」1件(同3.3%)となった。
地域別にみると、「関東」7件(構成比23.3%)、「北陸」6件(同20.2%)、「東北」4件(同13.3%)と続いた。
業歴別では「30年以上」が22社(構成比73.3%)で最多となり、業歴10年以上が9割超を占める結果となった。
倒産した30社をみると、マダムジョイを屋号としていた広電ストアやヤマサンのヤマサンセンターなどの名前が挙がっている。ほとんどが地域密着型の独立系スーパーマーケットで、コンビニエンスストアや大型スーパーマーケット、ドラッグストア勢との競争に敗れ、集客を維持することができず、売り上げの落ち込みから赤字を解消できないというケースが最も多かったという。
また、19年は天候不順や台風などの自然災害が多く発生したことによる販売不振や、台風による営業時間の短縮や休業が発生し、信用不安情報が増加した。さらに、10月に実施された消費税率10%への引き上げと軽減税率制度の導入により、設備投資や人材確保が難航したことなどが要因となった例も生じた。
20年も依然として地域スーパーマーケットを取り巻く環境は厳しく、地方商圏人口の減少、6月30日に終了予定のキャッシュレス・ポイント還元制度の影響が予測される。スーパーマーケット経営業者にとっては引き続き対応を迫られる年とななりそうだ。