セクハラの〇秒ルール、5秒凝視で認定

車間距離、調理、人の気持ちなど、いくつかの場面で存在する「〇秒ルール」。“セクハラ界”の5秒ルールとは。

「誰かを5秒以上見つめてはいけない」という社内ルールを、アメリカの大手動画配信サービスのネットフリックス社が設けた、と報じられた。その理由は「セクハラを防止するため」だという。

が、よく耳にする恋愛テクニックに「3秒見つめると相手が意識してくれる」というのもある。3秒と5秒、どんな違いがあるのだろうか。帝塚山大学心理学部教授の谷口淳一さんに聞いた。

「“見つめられている”と気づくと緊張感が生まれ、ドキドキして、相手が気になるスイッチが入る。これが“恋愛3秒ルール”の背景です。また、好意を示してくれた人には好意をお返ししたくなる“返報性”という心理も働きます」

しかし、この方式が有効なのは、相手が恋愛対象としての可能性がある場合のみ。一転、セクハラになってしまうのは、ここにズレが生じるからだ。

「人とのコミュニケーションでは、親密さのレベルを一定に保とうという力が働きます。仲がいい人ほど距離が近づくし、視線も合う。

逆に親密ではない人とたびたび目が合うと、距離をとったり視線をそらそうとします。しかし、上司と部下などの関係性によって、それができない場合もある。3秒であれば偶然や無意識の場合も多いですが、5秒以上になると、そうとは言い切れない。見つめていること自体に意味を持つ境界線が、5秒なのです」

本誌・女性セブンの連載漫画『恋する母たち』(柴門ふみ作。1・2巻が発売中)では「15秒ルール」が話題になった。

コジカビール宣伝部・課長、林優子(44才)の持論は「15秒あれば、どんな状況でも気持ちをまっさらにできる」。ポスターの試案があがってきたときも、「15秒後、あたしが“もういいよ”って言ったら、同時にパッと2枚見せて」と後輩に告げ、瞬時に判断する。それは、「重大な決断を下す時は、まっさらな気持ちの直感がいちばんだから」という理由からだ。

この15秒ルールは、ドキドキするようなシーンにも使われた。後輩の赤坂剛(32才)からホテルに突然誘われ、狼狽する優子。動揺を見せまいと心の中で15秒数える。すると落ち着きを取り戻し、「平常心ではないから、ノーカウント」と上司の顔に戻ったのだ。

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