セブン銀最高益、イオン銀は赤字続く 決算で明暗

 2000年以降に開業したインターネット専業や流通系7銀行の10年3月期決算が26日、出そろった。イオン銀行は131億円の純損失で、07年10月の開業から3期続けて赤字になった。同じ流通系では01年開業のセブン銀行が開業3期目から7期連続の黒字になり、明暗を分けた。
 イオン銀はイオングループの大型スーパーなどに店舗を構え、スーパーの来店客を中心に預金受け入れや貸し出しをする「フルバンキング」。開業時の目標は10年3月期に預金残高7千億円、住宅ローン残高3千億円だったが、実際は預金が6371億円、住宅ローンなどの貸出金が1814億円にとどまった。
 景気低迷や、営業店の態勢整備の遅れで、想定通りに顧客を増やすことができず、赤字から抜け出せなかった。引き続き、店舗や現金自動出入機(ATM)の数を増やし、営業網を広げる方針で、イオンの岡田元也社長は「今年度中に単月の黒字化を実現させる」としている。
 対照的に、セブン銀は、開業3期目から黒字決算を続け、10年3月期の純利益は179億円で最高益だった。
 コンビニエンスストアのセブン―イレブンなどにATMを置き、提携金融機関から得る手数料収入を主な収益源にしている。行員がいる有人店舗は少なく、イオン銀とは対照的な事業の進め方だ。3月末で1万4601台のATM数を今期(11年3月期)も約800台増やす予定。ただ、ATMから消費者金融のローンを利用する人が減るなどして手数料収入は伸び悩んでおり、1月からカードローンの業務を自ら始めるなど新しい収益源も模索している。(志村亮)

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