セブン&アイが食品スーパー再編 「ヨークフーズ」展開へ

セブン&アイ・ホールディングス(HD)は12日、首都圏食品スーパー事業のオンライン説明会を開き、傘下のヨークマート(東京)を軸に統合で誕生する新会社で、年3店の新規出店と4年後の2024年度には営業利益率を20年度比7・5倍の3%と急伸する目標を明らかにした。都心や競合が多い商圏でも対応できる店舗づくりを展開するほか、専用のセントラルキッチンなどを整備して独自商品の開発で中食需要を取り込み、コスト削減と来店客増を両立させる。

 セブン&アイは4月、首都圏での食品スーパー強化を図るため、ヨークマートを軸とする新会社「ヨーク」の6月設立を公表。イトーヨーカ堂からは「食品館」と「ザ・プライス」の2ブランドを、セブン&アイ子会社の食品スーパー運営会社フォーキャストを吸収合併し、傘下に収める。

 店舗数はヨークマート単体で78店だったが、再編後のヨークは100店からの船出となる。店舗の屋号(ブランド)は「ヨークフーズ」で、5月13日には1号店を千葉県に開店、6月5日に食品館はヨークフーズへ屋号変更を行う。今後、既存店は年6店を順次、改装する方針。

 セブン&アイの1都3県での食品スーパー店舗数は14年度以降ほぼ横ばいで推移。各ブランドごとに出店戦略が異なるため、グループ会社間でのシナジー効果も薄く、独自商品の開発・供給のインフラ整備ができないといった課題を抱えていた。このため「首都圏の大きな商圏で店舗数の伸ばせなかった」とセブン&アイHD常務執行役員の石橋誠一郎グループ商品戦略本部長は指摘する。

 再編後は出店する商圏に応じて4つの店舗フォーマットで展開。郊外型店はヨークマートの標準出店基準の500〜600坪(1坪=約3・3平方メートル)、都市型店は食品館などでの出店経験を軸に150〜300坪の小型店舗で運営。また、ザ・プライスの店舗では価格訴求戦略を維持するほか、競争環境の厳しい店にはザ・プライスの価格戦略を新たに導入してディスカウントストアへの対抗軸も打ち出す。

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