セブン&アイHDが”社名変更”検討 コンビニ事業に注力へ

セブン&アイ・ホールディングスが、社名の変更を検討していることがテレビ東京の取材でわかった。複数の関係者が認めた。新たな社名には「セブン-イレブン・ホールディングス」などが候補に挙がっている。 社名の変更は、セブン&アイHDの事業構造を戦略的に変更していくことに伴い検討されていて、主力のコンビニエンス事業に注力していくことを名実とともに示す狙いがある。近く、井阪隆一社長が発表することも検討されている。   セブン&アイHDは、「新・総合生活産業」を目指して2005年9月1日に設立された。社名の由来は当初、「7つの主要な事業領域(1.コンビニ 2.スーパーストア 3.レストラン 4.スーパーマーケット 5.百貨店 6.金融サービス 7.IT/サービス業)とイノベーションの頭文字と「愛」を表している」と公式に説明してきた。しかし現在は、百貨店事業を担ってきた「そごう・西武」を売却し、スーパーストア事業の中核をなすイトーヨーカ堂などのスーパーストア事業の上場を目指すなど、”7”つの事業領域は減少している。

社名変更の時期は「2~3年後」を想定

また、”アイ”については、「イトーヨーカ堂の”アイ”でもある」と語る関係者は多い。セブン&アイHDにとってイトーヨーカ堂は祖業だが、4年連続最終赤字を記録するなど苦戦が続く。そこで、早ければ年内にも協業パートナーを探し、その協業先にイトーヨーカ堂などの株の一部を売却する考えだ。それにより、セブン&アイHDの持ち株は現在の100%から「20%以上50%以下」とし、持分法適用会社としてイトーヨーカ堂の経営に一定の関与を残したい考え。イトーヨーカ堂などのスーパーストア事業は「セブンプレミアム」などセブン-イレブンの食品開発を支える重要な事業でもあるため、コンビニ事業にシナジーを創出させる意味でも「グループからの離脱は今のところ考えていない」(首脳陣)と断言している。 セブン&アイHDの”アイ”が消えることは、セブン-イレブン中心の会社に生まれ変わることを意味する。かつてのイトーヨーカ堂を中心とする総合スーパーの歴史は、大きな転換点を迎える。 関係者によれば、社名変更の時期は「2~3年後」を想定しているという。「イトーヨーカ堂の上場を成功させ、新社名の下でセブン-イレブンのグローバル展開に経営資源を投入することになるだろう」と語る。

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