セントラル自、宮城工場の計画前倒し 全面移管2011年4月

 トヨタ自動車の完成車製造子会社、セントラル自動車(相模原市)の葛原徹社長は7日、報道各社のインタビューに応じ、同市の現工場での車両生産を来年3月末に停止する方針を明らかにした。1月に宮城県大衡村に移転させる新本社工場への生産機能の全面移管は4月中になる見通しで、当初計画の5月からの前倒しが決まった。
 葛原社長は新本社工場でインタビューに答え「早期に新本社工場への機能集約を進めたい」と強調した。現工場で3月末まで生産するのは国内向け小型車「カローラアクシオ」で、生産停止後に一部の生産設備を新工場に移すという。
 同車種の新本社工場での生産は機械の調整などを経て「早ければ4月中旬にも開始する」と言う。
 セントラルが生産する車両のうち、輸出用小型車「ヤリスセダン」(日本名ベルタ)については12月下旬に現工場での生産を終え、新工場での生産準備に入ることが決まっている。
 新工場が稼働する1月以降は新工場、現工場の2カ所で、別々の車種を生産する。生産体制や部品輸送などでコストが掛かることから、セントラルは効率化に向けて早期の生産集約を目指していた。
 従業員に関しては約600人が3月末まで現工場に残り、その後、全面移管に合わせて新工場に順次異動するという。
 葛原社長は「アクシオの生産停止から(新工場への)移管、人事異動をスムーズに実施したい」と述べた。
◎工場稼働は1月6日
 セントラル自動車(相模原市)は宮城県大衡村に移転させる新本社工場について、来年1月6日に稼働させる方針を決めたことが7日、明らかになった。
 生産を始める車両は「ヤリスセダン」(日本名ベルタ)で、1号車の完成は1月10日ごろになる見通し。トヨタ自動車グループの仕事始めに合わせて、セントラルも車体製造に着手する。
 セントラルは「量産スタートに向け、現場の緊張は高まっている。1号車をそのまま出荷するか、記念品として保存するかはこれから検討する」としている。
 新工場はことし3月から生産設備の搬入、設置を行い、グループ各社の応援を受けて設備の作動状況の確認や調整を進めてきた。今週中にも、量産時の作業スピードで各工程を終えられるかどうかの確認作業に入る。

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