セントラル自動車、宮城1号車完成 量産開始 集積へ前進

宮城県内での量産第1号となる自動車が12日、今月6日に稼働したセントラル自動車の新本社工場(宮城県大衡村)で完成した。同じトヨタ自動車グループの関東自動車工業岩手工場(岩手県金ケ崎町)に続いて新たな拠点が量産体制に入り、東北はさらなる産業集積に向け大きな一歩を踏み出した。
 1号車は輸出用小型車「ヤリスセダン」(日本名ベルタ)。内装、外装部品の組み立て状況を確認した後、午後1時ごろ、赤色の車体が製造ラインからゆっくりと滑り出した。この日は1号車を含め計5台を製造した。
 工場内では1号車の完成を祝う式典も行われ、従業員と関連会社の社員計約200人が出席した。葛原徹社長とセントラル自動車労組の高山秀剛委員長が握手を交わし、工場の飛躍を誓った。
 葛原社長は式典で、トヨタグループと地域の期待の大きさに触れ「世界に誇れる良い車を造ることが、われわれの使命だ」と抱負を述べた。
 新本社工場は今後、1日10台未満でスタートした生産ペースを徐々に引き上げ、今月中に1日250台とする。3月末まではヤリスセダンだけを生産し、拠点だった相模原市の工場で製造している「カローラアクシオ」なども手掛けるのは4月以降となる。
 新本社工場からの初出荷は18日の予定。トヨタは約50台を仙台港から中部地方に海上輸送した後、北米などに輸出する。
 セントラル自動車はこの日、工場内の公開は行わず、式典などの様子を撮影した写真や映像を報道機関に提供した。

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