ソニー、ネットTV日本投入へ

ソニーは21日、米グーグルと共同開発した「ソニーインターネットTV」について、日本への投入を検討していることを明らかにした。同テレビは、通常の番組放送とインターネットの動画を、切り替え作業などをせずに検索できるのが特徴。3次元(3D)動画や音楽配信への対応も検討しており、ソニーはパソコンとの垣根を越えた「進化するテレビ」として世界展開を進めたい考えだ。
 「従来のテレビとは違う全くの新しいカテゴリーとして育てたい」。ソニーの石田佳久・業務執行役員は同日、インターネットテレビの特徴をこう語った。
 見た目はテレビだが、視聴方法はパソコンだ。マウス機能やキーボード搭載のリモコンで文字入力すると、テレビ番組以外に、「ユーチューブ」などウェブサイトや配信動画、録画映像までが一気に表示される。
 「番組とかネットだとかを全く意識せずに必要な情報にたどりつけるのが一番の特徴」と担当者。
 従来、テレビとパソコンの2台を必要とした操作も1台でこなせる。たとえば視聴中の番組の表示画面を縮小し、同時平行で感想をミニブログ「ツイッター」で投稿することや、スポーツ中継を見ながら他試合のスコアを確認したり、関連動画を探すことも可能となった。
 来年初頭には、グーグルのソフト販売サービスも始まり、ソフトメーカーらが開発したテレビ向けソフトが配信される。スマートフォン(高機能携帯電話)をリモコン代わりに使えるソフトや、映画レンタルソフトなども提供される見込みだ。
 「買ったままの機能ではなく、常に新機能に更新できる」と石田氏。ソニー独自の配信サービスとも融合し、音楽や3Dまで対応コンテンツが広がる可能性もあるという。
 米国では16日に発売し、「販売は好調」(石田氏)という。米調査会社によると、ネット接続型テレビの需要は平成26年に21年比7・8倍の1億1800万台に伸びる見通し。テレビのネット機能拡大はサムスン電子など韓国勢やパナソニック、東芝も進めており、テレビとパソコンを“越境”する新製品が今後、主流になる可能性もある。

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