ソニーは7日、高画質の「4Kテレビ」で画面を曲面にしたタイプの新製品を9月にも、中国市場で発売すると発表した。日本などでは発売すら未定の「ぜいたく品」だが、中国では富裕層向けの販売が期待できると見て、同社として初めて投入する。
この日北京で開いた発表会で披露した新型のテレビは65インチと75インチの大型サイズで、画面がゆるやかな弧を描く。正面から見ている人がより臨場感を得られるという。画面の反応速度が速くなる「ゲームモード」も備え、今後の発売を目指すゲーム機「プレイステーション」シリーズとの相乗効果も見込む。価格は未定。
ソニーは同時に、4Kテレビにつなぎ、インターネットでダウンロードした動画を視聴できるようにするプレーヤーも発表した。傘下のソニー・ピクチャーズの人気映画などを4K向けにして配信する。本格的な4K動画の配信サービスは、中国で初めてとなる。
中国で4Kテレビは、対応している映像がまだ乏しいのに富裕層を中心に人気を集める。今年の販売台数は800万台に迫り、全体の15%を超える見通しだ。曲面をつけた4Kテレビは韓国サムスン電子が先行し、中国勢も参入する。ソニー中国の栗田伸樹総裁は「本物の画質と音で巻き返したい」。映像コンテンツや他機器との連携といった総合力の発揮もねらう。(北京=斎藤徳彦)