携帯電話4社が11日に発表した2010年の契約純増数(新規契約数から解約数を引いた数)は、ソフトバンクモバイルが前年比63.5%増の273万2700件で、2位のNTTドコモを100万件近く引き離して、3年連続でトップとなった。米アップル製のスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」の端末価格を実質ゼロ円に値引きする販売手法が奏功した。
スマートフォン人気の追い風を受け、ソフトバンクのシェアは20.8%と1年で1.2ポイント上昇。英ボーダフォンから携帯電話事業を買収した直後の06年10月の16.3%から4.5ポイント上昇した。
NTドコモの年間純増数は同38.5%増の177万3800件、前年減少したKDDIは34.6%増の113万1400件だった。携帯電話4社の純増数合計は644万3500件で、累計契約数は前年比5.8%増の1億1706万900件。スマートフォン市場の活況で、過去最低だった前年の4.6%増より伸び率がやや改善した。
昨年1月のシェアはドコモが50.0%、KDDIが28.3%だったが、12月にはそれぞれ48.9%、27.8%に低下した。ソフトバンクの現在のシェア拡大ペースが続けば、35カ月後にはソフトバンクとKDDIがシェアで並ぶ計算だ。ただスマートフォン市場に出遅れたKDDIも今年は同分野を強化する方針で、2、3位のシェア争いは激化する見通しだ。 昨年12月単月の純増数は、ソフトバンクが32万4900件で2カ月ぶりに30万件台に復帰してトップ。2位のドコモは韓国サムスン電子製スマートフォン「GALAXY S(ギャラクシー・エス)」が貢献して16万9600件と前月比2倍近く増加。KDDIは9万5400件にとどまった。