インターネット上で仲間と交流しながら遊ぶソーシャルゲーム開発の世界最大手、ジンガゲームネットワーク(米国)の日本法人が1日、日本で携帯電話向けのゲーム提供を始めた。最大手の上陸で、市場の拡大に弾みがつくとみられる。大手IT(情報技術)業界各社の利用者獲得競争にも影響を与えそうだ。
「ヤフー、グーグル、マイクロソフト、アップルなど、米IT大手のCEO(最高経営責任者)はこぞって、ジンガを特別待遇している。ジンガ(のゲーム)を得たものが、ユーザーを得るからだ」
1日の発表会で、応援に駆け付けたソフトバンクの孫正義社長はこう強調した。ソフトバンクはジンガジャパンに50%出資する予定だとはいえ、孫社長が現れたことが、ジンガへの期待の大きさを物語る。背景には、「世界のインターネット人口の10%がジンガのゲームで遊んでいる」(ジンガジャパン)とされるなど、存在感が急激に増している事情がある。
発表会には会員制交流サイト「mixi」を運営するミクシィの笠原健治社長も登場。今回導入されるソーシャルゲーム「ファームビレッジ」は、携帯版のmixiを通して提供される。ソーシャルゲーム市場の活性化は、交流サイトの利用者増の期待も担う。
ファームビレッジは、架空の農場を経営するゲーム。友人をゲーム内で招待して一緒に遊んだり、協力して農場を大きくできる。世界中で毎月5400万人が利用している農場経営ゲームの日本版。基本の利用料金は無料で、ゲーム内で使う「アイテム」購入で課金される仕組みだ。
会見したジンガジャパンのロバート・ゴールドバーグ社長は「ソーシャル性(友人らとの交流)を最も重視している」と述べ、今後も「交流」をテーマにした事業の拡大を目指す方針だ。