東日本大震災で被災した宮城県石巻市の石巻漁港に6日、底引き網漁船が震災後初めて水揚げした。仮設の荷さばき場にタコやカレイなどが並び、競り人の声が響いた。
近海と小型の底引き網漁船9隻が宮城沖で漁獲した計20トンを水揚げし、1日に増設したばかりの仮設テントで競りを行った。加工場などの復旧が遅れ、応札業者も少ない中、まずまずの値段で取引された。
魚市場の須能邦雄社長は「底引き網漁の再開でにぎわいは倍増する。当面は鮮魚出荷が中心となるが、加工施設の早期復旧を待ち、受け入れ態勢を整えたい」と話した。
底引き網漁は、カツオなどの巻き網漁と並ぶ同港の水揚げの主力で、昨年は数量、金額とも全体の約3割を占めた。
近海と小型の底引き網漁船は震災以降、操業を自粛し、7月から2カ月間、休漁期間に入っていた。休漁前は塩釜港などに水揚げしていた沖合底引き網漁船も7日に入港を予定している。