タブレット普及本格化 100種超すiPad対抗機

世界の情報家電メーカー各社がタブレット型と呼ばれる多機能端末の市場に相次いで参入している。米アップルが昨年発売したiPad(アイパッド)の人気で市場は急拡大。米ラスベガスで6日開幕の国際家電見本市コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)では「100種類以上が出そろう」(米家電協会)見通しだ。普及が進む一方、iPadを中心に競争は激しさを増しそうだ。
 ■米で家電見本市開幕
 「テレビと同様の機能を簡単に利用できる」。パナソニック米国販売子会社の北島嗣郎社長は5日、新端末「ビエラ・タブレット」の特徴を強調した。映像や電子書籍の配信を受けるだけでなく、テレビのスポーツ番組の続きをタブレットで楽しめるなど、テレビとの連動性を高めた。
 東芝は基本ソフト(OS)に米グーグルの「アンドロイド」、米マイクロソフトの「ウィンドウズ」をそれぞれ搭載した端末を投入、日本では年内に発売する。
 国内勢ではさらにNECが7型の画面が2つある端末を発表、富士通はカメラ付きの端末を今春に世界で展開。ソニーも開発中だ。日本メーカーは「タッチ画面など手軽な操作性で、新たな顧客の開拓が期待できる」(大手電機)と意気込んでいる。
 一方、海外勢は米モトローラが5日、アンドロイド搭載の機種を公表。中国のレノボはノートパソコンから画面部分を取り外すとタブレットになる端末を発表した。韓国のLG電子は6日に新製品の概要を発表する。中小メーカーの出展もめじろ押しだ。
 ■数年内に爆発的増加
 タブレット端末は、画面の大きさが携帯電話とノートパソコンの中間程度。ネット閲覧や動画再生などの機能を備える上、多数の応用ソフトもある使い勝手の良さから、両者の隙間を埋める形でiPadが市場を開拓した。
 米調査会社IDCは、タブレット端末の世界販売が昨年の約1700万台から今年4400万台以上に増加し、2014年には1億1000万台を超えると予測する。
 IDCのスーザン・ケボキアン氏は「次世代iPadが3月までに出るとみられ、各社が競争に勝つには機能や価格面での特徴付けを急がなければいけない」と指摘。各社の発表は見本市に出展しなかったアップルへの対抗心がにじんでおり、アップルは陰の主役とも言える存在だ。(ラスベガス 共同)

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