タマネギ栽培、もっとスマートに 宮城・栗原で産学官組織が研修会 人工衛星技術使ったトラクター自動運転実演

 スマート農業の推進を目指す産学官組織「みやぎRTK利用拡大コンソーシアム」は、タマネギ栽培のトラクター自動運転などに関する研修会を栗原市栗駒の農業法人吉尾ファームで実施した。

 RTKは人工衛星を利用した高精度測位技術。吉尾ファームでは、2年前からタマネギのじかまき栽培に取り組み、今期は面積を約1・5ヘクタールから約10ヘクタールに拡大。作業の効率化と農地の有効活用のためRTKシステムの導入を決めた。

 18日あった研修会には農業関係者ら約80人が参加。RTKシステムによるトラクターの自動運転で畝作りとじかまきを併せて行う作業や除草剤の散布が実演された。参加者は農地の起伏に影響されず真っすぐ進むトラクターの動きに感心していた。

 吉尾寛社長(48)は「じかまき、肥料散布などにシステムを使うことで、1人分の作業効率化が図られる。トラクターの運転に神経を使うこともない」とメリットを説明した。

 県内にRTKの基地局は7カ所あり、8月末時点で181農業者・法人の計約7500ヘクタールで利用されている。水稲や小麦、大豆など穀物が大半を占め、野菜への活用が課題となっている。

 コンソーシアムは県内の農業団体や県、農機具メーカー、東北大大学院農学研究科などが2023年9月に設立した。

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