タモギタケ楽々栽培 大河原町の企業がプラント開発

 宮城県大河原町のコンサルタント会社「ベンチャー宮城」が“幻のキノコ”と呼ばれるタモギタケの全自動栽培プラントを開発した。温度や湿度を自動的に調整する機能を備えており、農業の未経験者でも簡単に生産できるという。同社は先月から受注販売をしている。
 栽培プラントは幅2メートル40センチ、高さ2メートル50センチ、奥行き5メートル40センチで、面積は約13平方メートル。水道と電源さえ接続すれば自動空調機能が作動する仕組みになっている。タモギタケ以外のキノコも栽培できる。
 タモギタケは北海道から東北の山地に自生するヒラタケ科のキノコで、かさが黄色く、独特の甘い香りが特徴。食べるとしゃきしゃきとした歯応えがあり、うまみ成分が豊富な一方、温度、湿度、二酸化炭素濃度、光量など、外部の環境に成長が左右されやすい。
 ベンチャー宮城は約10年前から、約100平方メートルのプラントでタモギタケの生産、生産コンサルタントを行ってきた。繊細なタモギタケの栽培環境を維持するため、ランニングコストがかさむのが課題となっていた。
 今回開発したプラントは施設内の無駄な空間を排除することで、空調コストを約3分の2を節減できる設計とした。タモギタケは市場への流通が少なく需要も安定していないが、設備小型化によって生産量の調整も容易になった。
 栽培プラントは一式で300万円。同社の亀岡保社長(50)は「タモギタケのおいしさを多くの人に知ってもらうには、安定的に生産できる設備が必要。県内外の生産者に活用してもらいたい」と語っている。連絡先はベンチャー宮城0224(52)5850。

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